アクアコミュニケーターの知恵

 

 

水をめぐる争いのはなし  |  Story of the battle for water


 

インダス川をめぐるあらそい

 

 

チベット高原に水源を発するインダス川は全長約2900キロメートル。

ヒマラヤ山系、インド領、そしてパキスタン領内を北から南に縦断しアラビア海へと注いでいる。

流域で行われる農業は、そのほとんどをインダス川からの灌漑用水に頼る。

過去にはインダス川の水利用をめぐり、インドとパキスタンの間で緊張関係が生まれたこともある。

そのため1960年にインダス川水条約がつくられ、インダス川(本流)と5つの支流をインドとパキスタンで分けることを取り決めた。

インドは
サトレジ、ラビ、ベアズという3つの支流利用する。

パキスタンは
インダス川(本流)とジェルム、チェナブという2つ支流を利用する。

しかし、この流域の農業地域は乾燥地帯にあり、急激な人口増にともない食料需要も増え、大量の水を使っているため、水不足の問題が深刻になってきた。

過剰に取水したり、灌漑技術が未整備で水を無駄に使ったりしているうちに、地下水の水位は下がり、湿地は消失し、また、水分の蒸発による耕作地の塩化を招いている。

最近では、インドがダムや運河を建設し、同時期にパキスタンを流れるインダス川の水量が減ると、両国の緊張が高まるという事態が何度か繰り返されている。

 

インダス川水条約では、前述のとおり、インドはインダス川の水を利用できないとされる。

インドは
「ダムは水力発電用であり、取水していない」(使用して元に戻す)

と主張するが、

パキスタンは
「ダム建設によってインダス川の水が激減し、農作物の被害や飲料水不足が深刻化している」

と批判している。

 

 

目次へ戻る