週刊「水」ニュース・レポート    2013年3月6日号

 

 

 

【今回厳選したニュース】

 

 


 

 

【ニュースを見る目】

 

(ニュース映像を要約しつつ解説します)

世界的に水不足が深刻になるなかで、従来とは違った方法で水を集める技術が開発されています。

その1つが空気中から水をとり出す技術です。

ペルーの首都リマは、世界で2番目に砂漠の多い首都です。

年間降水量は約13mm(日本は1700mm)なので、人々は井戸水を利用していていますが、けっしてきれいな水ではありません。

そこでリマのThe University of Engineering and Technologyは、ニュース映像に登場する看板を建てました。

この看板は、空気中から水をとり出し、貯めておく装置を内蔵しています。

貯まった水は看板下の蛇口をひねれば出てきます。

ろ過フィルターを通しているので、そのまま飲んでも問題なし。

3ヶ月で9450Lの水を貯めることに成功しました。

 

さて、空気中から水を集める技術はほかにもあるので、いくつか紹介しましょう。

米国のスタートアップ企業 NBD Nano  http://www.nbdnano.com/  は、アフリカ・ナミブ砂漠に住む甲虫の生態を参考に、空気中の水分を集めるボトルを開発しています。

http://www.loe.org/shows/segments.html?programID=12-P13-00046&segmentID=8

 

甲虫は夜明けになると砂丘に上り、頭が下になるように体を傾け、鞘翅に露が付くのを待ちます。

鞘翅は親水性のこぶと疎水性の溝があり、こぶについた細かい水滴は、次第に大きな水滴になります。

NBD Nanoはこの点に注目し、超親水性のコーティングと、超疎水性のコーティングを組み合わせた素材で空気中の水分を集める装置の開発を進めています。

 

空気中の水分を集めるコットンも開発されています。

http://www.wiley.co.jp/blog/pse/?p=15107

温度応答性ポリマーを利用し、砂漠での水供給に期待されています。

 

じつは日本でも、大阪府の薬品メーカー濤和化学も、空気中の水分を集めて飲料水を作る装置を開発しました。

http://www.towa-chemical.com/product2/airwater.html

 

この装置は湿度が低い場所でも使用可能で、国際特許を出願しています。

この装置は、空気中の水分を吸収する「潮解性」という性質をもつ塩化カルシウムを、金属製の皿の中で風を当てながらゆっくりかき混ぜます。

すると空気中の水分を吸って水溶液となり、加熱、蒸留して水を取り出す仕組みです。

 

湿った空気を集める、自然界の生物が水が確保する方法を応用する、コットンをつかって吸収する、塩化カルシウムをつかって吸収する。

これらの方法は、比較的少ないエネルギー量で水を確保できるという共通点があります。

温暖化の防止にもなるんですね。

 


 

 

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