週刊「水」ニュース・レポート    2013年3月20日号

 

 

 

【今回厳選したニュース】

 

 


 

 

【ニュースを見る目】

 

安倍総理はTPP参加交渉参加に当たり、「農業を守る」と言いました。

その理由として、「農業が多面的な機能をもつから」と言っています。

発言をそのまま引用すると、

 

  • 「水を涵養し、地域を守り、環境を保全し、そしてCO2を吸収する。
  • これは都市の人々も、これによる恩恵には浴しているわけであります。
  • つまり、この多面的な機能を考えれば、それは農業は一つの産業。
  • そこで働く人はもう要らないのだということには決してならないわけでありまして、
  • ですから、この重要性、この多面的な機能、
  • そしてそれは日本のまさに文化にも通ずるものがありますから、
  • これについてはしっかりと守っていくのが私は当然なのだろうと、このように思っているところでございます」

となります。

 

  • 「農業の多面的な機能」

というフレーズが2度登場します。

たとえば、水田はお米をつくる場所、お百姓さんが生活の糧を得る場所というだけではありません。

水を地下に浸透させて地域の地下水を育んだり、水を貯めて洪水を防いだりとさまざまな機能をもっています。

社会にとって有益な機能です。

水田が1年間に水をかん養する量はどれくらいあると思いますか?

「日本の地下水が危ない」(橋本淳司・幻冬舎新書)
http://amzn.to/W8drKM に書きましたが、年間約2万トンあります。

 

ちょっと横道にそれますが、

 

  • 「日本の地下水が危ない」について、
  • 「外国資本の水源地買収について世間をミスリードしている」

という人に出会いました。

それは違います。

(たぶん1章しか読んでいないのだと思います(笑))

僕がこの本で書いているのは、

 

  • 「地下水について、何のルールもないのはまずいから利用のルールをつくろう」

ということと、

 

  • 「地域の水をいかに保全するか(そのなかに農業も含まれる)」

ということです。

 

  • 「多面的な機能を考えれば農業は1つの産業」

と総理は言っていますが、

 

  • 「多面的な機能を考えればこそ、農業は産業という概念だけにおさまらない」

のです。

現在TPPは「経済」というモノサシのみで議論されていますが、「安全保障」の面はどうなのでしょうか。

地下水保全、洪水防止、食料自給など、今後の重要課題を解決するうえでのキーとなる機能を、農業はもっています。

 


 

 

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