週刊「水」ニュース・レポート    2013年3月26日

 

 

 

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エジプトとエチオピアとの間の水をめぐる緊張が高まるなか、

 

  • 「Blue Peace for the Nile(ナイル川のための青い平和)」

というリポートは、ナイル川流域の融和を図るための新たな政治形態を提案しています。

では、ナイルをめぐる緊張とは、いったいどんなものなのでしょうか?

水をめぐる争いの多くは、国際河川の流域で発生します。

国境をまたぐ国際河川は世界中に約260本あり、国土内に国際河川の流れる国は145カ国あります。

国際河川の上流にある国が思いのままに水を使うと、下流の国に大きなストレスを与えるというのが、一般的な図式です。

ですが、ナイル川のケースは特殊です。

ナイル川流域国の水配分は基本的に、

 

  • 1929年にエジプトと英国(支配下のアフリカ4カ国を代表)が結んだ協定
  • 1959年にエジプトとスーダンが結んだ協定

に基づいており、

ナイル川の年間水量を、

 

  • エジプト    75%
  • スーダン    25%

という割合で分配することになっています。

他の流域国については、

 

  • 「要求があればエジプトとスーダンが共同対処する」

ことになっているのですが、

エジプトは、上流でのナイル川関連事業に対する拒否権をもっているので、他国に水を分配しようとしません。

第二次世界大戦前、英国はエジプトでのコットン栽培を重視していました。

コットン栽培には水が必要です。

そのためナイル川の上流地域が、エジプトの許可なく水を使うことを禁じました。

第二次世界大戦後、独立を果たした流域諸国は、現在もこの条約に縛られています。

エチオピアやケニアでは干ばつの影響で、食料不足に直面しています。

水不足から人々は収入源となる牛や羊を失い飢餓に直面し、将来への不安を抱きながら救援物資でなんとか生きている人たちもいます。

水場をめぐる暴力事件も頻発し、死亡事件もたびたび発生しています。

行き詰まった状況を打開する提言として、今回のレポートは期待されています。

Strategic Foresight Group社長のサンディープ・ワスレカー氏は、

 

  • 「関係各国の最高指導者が中立地域で非公式な会談を行い、国際水協力年である2013年に政治協力を始めることが必要」

と述べています。

 


 

 

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