週刊「水」ニュース・レポート    2013年4月3日号

 

 

 

【今回厳選したニュース】

 

  • 「水資源保護で“新法案”」
  • (テレビ東京  2013年3月28日)

 


 

 

【ニュースを見る目】

 

“新法案”と言われていますが、ここで取り上げられた「水循環基本法」は、民主党政権時代から議論が続けられている法案です。

かつて松井三郎京都大名誉教授が、

 

  • 「水行政は、いくつもの法律と省庁にまたがり、すき間から激しく水漏れしている」

と表現したように、

 

  • 河川、下水道→国土交通省
  • 農業用水  →農林水産省
  • 上水道   →厚生労働省
  • 水質や生態系→環境省

など6省の業務と絡んでいます。

 

そこで水循環基本法案では、

 

  • 1)地表水だけでなく地下水、海水などをすべて「公水」と定義する
  • 2)「水循環庁」をヘッドとして、水は流域自治体が統合的に管理する

ことが大きな目的でした。

しかし、大反発を食らいました。

地下水を大量に使う産業界の反発、所管法令との整合性を理由に疑義を唱える各省庁、さらには民主各部門会議からも異論が相次ぎ、水の統合管理を目的とした法案は姿を変えていきました。

実際の骨子は以下のようにまとめられます。

 

  • 水は国民共有の貴重な財産
  • 国や地方自治体は、水関連政策を策定し実施する責務を持つ省
  • 国や地方自治体は、水循環に影響を及ぼす利用について適切な規制を講じる
  • 内閣に水循環政策本部を置く
  • 政府は法制上、財政上の措置を講じる
  • 政府は毎年、講じた政策を国会報告する
  • 政府は5年ごとに政策の基本計画を定める

座長だった川端達夫前衆院議員に法案の出来映えを聞いたところ、

 

  • 「60点くらい」

とのことでした。

また、外資が土地を買うから水資源が損なわれる、そのためにこの法案をつくると喧伝されることがありますが、そうしたほうが法案成立に向け賛同が得られやすいからでしょう。

安倍政権になって、そうしたメッセージがより強く感じられるようになりました。

今後論点となるのは、

 

  • 「水は国民共有の貴重な財産」

とは、どういう意味なのか?

水の利用は変わるのか?

変わるとしたらどう変わるのか?

ということでしょう。

経済政策を何よりも重視する現政権下においては、

 

  • 「水は国民共有の貴重な財産だから国益のために積極的に売るべし」

という流れになりそうな気もしますが、安易な水売りはトラブルのもとです。

地下水保全のルールと具体的な保全策をまとめることが優先です。

 


 

 

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