週刊「水」ニュース・レポート    2013年6月26日号

 

 

 

【今回厳選したニュース】

 

  • 「南水北調、水源地の汚染が深刻化『完成すれば糞尿の水を飲む』」
  • (大紀元  2013年6月25日)

 


 

 

【ニュースを見る目】

 

中国の重要な水源である長江の水質汚染の悪化傾向が止まりません。

かつては「黄金水源」と言われた長江は、汚染企業に囲まれてしまいました。沿岸にはおよそ40万以上の化学工業企業があり、このほかにも5大鉄鋼基地、7大石油精錬工場、石油化学基地などが分布します。

長江デルタ地帯には太湖があります。中国で3番目に大きな湖で、無錫、常州、蘇州、上海に飲料水を供給しています。太湖周辺は淡水魚と農産物に恵まれ「魚米の郷」といわれていました。ところがこの20年、太湖周辺の工業開発と宅地開発のため、それぞれの排水が大量に太湖に流れこみ、太湖の汚染と冨栄養化を招きました。

2007年にはアオコが大量発生し、太湖の水は飲料水として使えなくなりました。湖に近づくと独特の青臭さが鼻につきます。政府は、太湖を汚染ワースト3の湖沼に指定し、水質汚染対策を進めています。

中国は20世紀前半から、北部の水不足を解決する国家戦略として「南水北調」を打ち出し、2002年末に着工しました。長江の水を3つのルートで北部に送り、海河、黄河、淮河に流して北部の用水を確保しようというもの。完成すれば北京の水問題は改善される予定でした。

しかし、南部の水はすでに汚染されているのです。結局、「南水北調」は汚れを運ぶ「汚水北調」になってしまうでしょう。記事にあるように、「完成すれば糞尿の水を飲む」ことになります。もしこの水を水道水として利用するなら、水質改善と水の運搬のためには莫大なエネルギーと費用がかかります。結果として、北京の水道料金は7倍に跳ね上がるとされています。

北部の水をつかって生産活動を行う場合、水道料金の値上げはそのままコスト増につながるので、深刻な問題です。

 


 

 

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