週刊「水」ニュース・レポート    2013年7月3日号

 

 

 

【今回厳選したニュース】

 

 


 

 

【ニュースを見る目】

 

いよいよ、日本でもはじまりました。「自然資本格付け」。日経ビジネスの記事は、会員のみ全部見ることができますが、ここでは概要をおさえながら、水リスクを中心にまとめていきたいと思います。

じつは欧米を中心に、企業に対してもサプライチェーンも含めた水リスクの評価・管理・対策とその情報開示を求める動きが加速しています。

その例として、カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(CDP)が、2010 年から新たにウォーター・ディスクロージャー・プロジェクト(WDP)を開始したことがあげられます。

WDP では、これに署名した機関投資家に代わって、世界及び各地域の主要企業(2013年時点で 629社)に各社の水リスクの認識やパフォーマンスに関する質問書を送付し、その回答結果を開示します。

現在、日本の調査対象企業は21 社ですが、既にグローバル単位だけでなく地域単位でも対象企業を選定している豪州、南ア、米国に続いて、欧州とアジアでも対象企業が拡大されることになっています。また2014 年には各社の情報開示状況がスコアリングされ、公開される予定です。

企業の水リスクについてはWDP の他にも、持続可能な開発のための経済人会議(WBCSD)、国連グローバル・コンパクト(GC)、世界資源研究所(WRI)などの様々な主体からガイドラインやツールが相次いで公開されています。

企業の水リスクについては、明確な定義はないのですが、ここでは4つにまとめます。

 

1)操業リスク・・・洪水や旱魃によって事業が中断されることです。

たとえば、中国では黄河からの取水量が増えたために1年の半分以上は河口まで水が流れなくなり、周辺の工場は操業停止となりました。河北省では地下水の汲み上げ過ぎから地盤沈下の被害を受けた企業も多いのです。

また、2011年のタイを中心としたインドシナの大洪水は、50年に1度の規模といわれ、日系企業の工場も甚大な被害を受けました。企業への損害保険支払い金額は9000億円(再保険分も含む)と、東日本大震災の企業向け地震保険支払額6000億円を上回っています。

 

2)財務リスク・・・水不足から工業用水調達コストが増加することです。

中国は北部の水不足を緩和するため南部の水を水路で運ぶ「南水北調」を進めていますが、輸送と水質浄化のコストが加算されるため、北京の水道料金は3、4倍に上がるとされています。

 

3)法的リスク・・・水不足や環境破壊を防止するために新たな課税や規制が導入されることです。

工業用水が十分に得られなくなったり、排水基準が高まったりします。

 

4)評判リスク・・・企業が無秩序な水利用を行った結果、周辺の環境に悪影響を与えたり、住民の水利用に悪影響を与えることで悪い評判が流れ、それが株式の下落や商品の不買に結びつくというものです。

 

日本企業をとりまく水の問題、対応策などについて高濃度コンパクトに語っていますので、ぜひご覧ください。シェアも大歓迎です。

 


 

 

【その他の「水」ニュース】