週刊「水」ニュース・レポート    2013年7月10日号

 

 

 

【今回厳選したニュース】

 

  • 「猛暑予想・・・梅雨短かった関東は水不足警戒」
  • (Sankei Biz  2013年7月7日)

 


 

 

【ニュースを見る目】

 

このニュースは関東地方を取り上げられていますが、今年の夏は全国的に節水と節電が必要です。具体的な方法をいくつかお話ししようと思います。

 

<蛇口の開閉>

昔から言われている方法ですが、あらためて取り上げてみたいと思います。

たとえば、はみがき。口をすすいでいる時に、水を流しっぱなしにすると、30秒間で約6リットルが流れていきます。コップに水をくんで蛇口を閉めると、コップ3杯の水を使った場合で約0.6リットル程度なので、10分の1ですみます。

シャワーは1分間に12リットルの水を使います。10分間シャワーを使うと120リットルになります。流しっぱなしにしないで、体を洗っている時にシャワーを止めると、だいぶ水を節約できます。たとえば、シャワーを使う時間が5分間に減れば、使う水の量は60リットルになります。そして流れていく水も少なくなれば、下水処理にかかるエネルギーも減らせます。

 

<節水器具の使用>

たとえば、節水型シャワーヘッド。水量は抑えているが水圧は高くなっているため使用感は変わりません。水量を50%おさえるものもあります。

 

<太陽風呂>

僕は暑い町に住んでいるので、太陽熱の恩恵にあずかろうと思い、ポリタンクを駐車場にならべ、風呂の湯をつくりはじめました。午前10時、ポリタンクに水道水を入れ、駐車場に置きました。水温20℃。午後4時には水温40.5℃に上昇。駐車場のアスファルトも太陽熱を蓄積し、ものすごい熱源になっています。アスファルトの"フライパン"の温度は50℃近くまで上昇していました。こうして立派に風呂の湯ができあがりました。

1リットルの水の温度を1度上げる熱量が1kcal。よって120リットルの水が20.5℃上昇したので、120×20.5 = 2460kcal≒2.86kwhを太陽からいただきました!120リットル(1人がシャワーを10分あびる水量)で家族数人が風呂水をまかなえれば節水になります。

 

<雨水活用>

小雨傾向であっても、突発的なゲリラ豪雨、それにともなう都市型洪水が懸念されています。

雨の降り方は確実に変わりました。

広島県・嚴島神社には回廊の浸水回数が記録として残っています。嚴島神社は平清盛によって建造され、西暦1555年に毛利元就によって大改修され、それ以降、同じ場所で同じ標高に建っています。神社の神官が記録する日誌には、高潮によって神社の回廊が浸水したことが記されています。2000年以前は浸水回数は年間1、2回、多くても4、5回でした。それが2001年以降、浸水回数は毎年2桁と増加しています。

これについて毎年「異常気象」と言われていましたが、10年以上も同じことが続くのですから、「常態が変わった」と考えるべきでしょう。それには新しい対策が必要です。

これまで都市の水行政は、水が足りなくなったら上流にダムをつくればいいという考えでした。ですが、ダムで確保した水をポンプ導水で都会まで運ぶには大量の電力を使用します。

考え方を変えれば、水源は頭上にあります。東京都民の水道使用量は年間約20億トンですが、東京に降る雨は年間25億トンあります。しかも東京の水道の原水は、ほとんどを利根川、荒川、多摩川などの川に依存しているのですが、雨水のほうがはるかにきれいです。

そもそも水には、いろいろな物質を溶かすという性質があります。降った雨が地下水になったり、川の水になったりと旅を続けるうちに、溶け込む物質は増えていきます。その点、降ったばかりの雨は物質を溶かす機会がないのです。

水質汚染の指標の1つに「電気伝導度」というものがあります。イオンや有機物といった水以外の不純物がまったく入っていない水は、電気を通しません。反対にイオンや有機物が含まれていたら電気は流れます。どの程度電気が流れたかを調べると、どれくらい水にほかの物質が含まれているかがおおまかにわかります。雨水の電気伝導度を水道水のそれと比べると、数分の一程度です。

雨水活用先進地の東京都墨田区では、個人住宅のなかに雨水をためるタンクを見かけます。屋根や駐車場に降った雨水をといから導き、タンクにためます。市販の雨水利用タンクを備え付けている人もいれば、ホームセンターなどで売っている大きめのかめやごみ容器を利用している人もいます。使わなくなった衣装ケースを雨どいの下に置いている人もいます。

たまった水はペットボトルに移し、トイレの流し水に使ったり、バケツやじょうろなどを使って、散水や植物の水やりに利用します。断水時の生活用水としても使えるし、煮沸、ろ過すれば緊急用飲料水にもなるでしょう。

なかには自宅の駐車場の地下に、巨大な貯水槽をつくっている人もいます。1トン以上の水が貯蔵でき、生活用水のほとんどをまかなっています。

都会ではそれぞれの家がタンクに雨水をためれば、無数のミニダムを都市におくことができます。かりに東京都内のすべての一戸建て住宅が屋根に降った雨をためたとすると、1億3000万トンの水が確保でき、これは利根川水系の八木沢ダムが東京都に供給している水量を上回ります。

都市型洪水の備えになると同時に、自己水源を確保できます。気候変動への対策であり、コストも対してかかりません。

 


 

 

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