週刊「水」ニュース・レポート    2013年9月18日号

 

 

 

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東京スカイツリーには、2600トンと日本最大級の雨水貯留槽が設置されていて、トイレの流し水や屋上緑化の散水に活用されています。

そのスカイツリーを見ながら住宅地を歩くと、入り口にスリランカで使われていた大きな雨水タンクおいてある施設があります。

 

そこで雨水博士・村瀬誠さんの言葉に出会いました。

 

  • 「水が大切だと思いながらも、梅雨時など大量に降るにもかかわらず雨水の利用など考えも及ばない。どうしてこんなにも単純なことに人は気づけないのか。雨の日に同容量でガソリン価格の倍もするようなペットボトル入りのミネラルウォーターを買って、飲みながら雨がやんで晴れるのをただ眺めている不思議な日常。そのペットボトルの水だって、遠くヨーロッパの山々に降った雨が地層を通って涌き出している、元はと言えば雨水。目の前に降っている雨はアスファルト脇に流れ込み、どこぞの河に流れては利用されずに海に向かう」

墨田区を歩くと雨水タンクを備えた個人住宅をけっこう見かけます。

諸外国では雨水の活用が活発になっています。

雨水活用先進国のドイツでは、集水・貯留・活用という一連の流れがしくみとして構築されていて、都市の再開発が行われる際には雨水活用施設が導入されます。

たとえば、ビルの屋根や路面から雨水を集め、地下の処理プラントに送り、トイレで再利用。屋上の緑化屋根に降った雨水をトイレの流し水に使い、余った雨水をビオト−プに流入。こうしたシステムが構築されています。

 

日本では最近治水対策として注目されています。

日本でのパイオニアは東京都墨田区ですが、きっかけは隅田川氾濫による洪水でした。

墨田区一体は地盤が低く、大雨で川が氾濫すると街中が水浸しになります。

都市の地表面が建物やコンクリート道路で覆われて、水を浸透させなくなったため、激しい雨が降ると降雨が下水や河川の流下能力を超え、都市内にあふれ出し、いわゆる都市型洪水が頻発します。

そこで個人宅にタンクを設置して雨水を一時的に貯留し、洪水にならないようにしたのです。

 

まとめてみると、雨水活用には大きく3つの役割があります。

1つ目は、前述したように都市型洪水の防止です。

2つ目は、身近な水源。たとえば、東京都の年間降雨量は約1400ミリですが、仮にすべての雨水を集めると東京都の年間水道使用量を上回る計算になります。

降りはじめの雨は汚れていますが、30分くらい降ると、その後はきれいになります。その雨は不純物を含んでいないので腐りにくく、きちんと管理すれば長期間保存ができます。大雨のときに貯めておいた雨水を渇水期につかうこともできます。

3つ目は災害時のライフポイントです。

 

この3つの役割を強化するためには、個人宅や街角での小規模の雨水貯留ならなるべくたくさんの家で行うとよいでしょう。あるいは公共施設の地下などに大規模の雨水タンクを設置するとよいでしょう。

最近では、1000トン以上の雨水を貯めることのできる雨水貯留装置がつくられるようになりました。

学校や保育園等のグラウンドの下、公園の地下、ショッピングセンターの駐車場の下、マンションや一般家庭の庭・駐車場の下などに設置されています。

地球温暖化の影響は日常生活に直接影響を及ぼし始めています。50年に1度の規模の雨が頻繁に降る可能性もあります。雨水活用はその対策として有効だと考えます。

 


 

 

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