週刊「水」ニュース・レポート    2013年10月2日号

 

 

 

【今回厳選したニュース】

 

  • 「インタビュー  豪雨の時代に  高コスト堤防より経済活動止める災害休日で被害減  東京大学生産技術研究所教授  沖大幹さん」
  • (朝日新聞  2013年9月25日)

 


 

 

【ニュースを見る目】

 

このニュースのリンク先は有料サイトになっていますので、記事を要約しながら紹介したいと思います。

まず、「今年は過去にない豪雨の年だったのか」という「問」がなされます。

沖教授は、「大河川が洪水になるような、1日単位の豪雨が増えているかどうかははっきりしないが、短時間の激しい雨が増えているのは確か」と答えています。

その理由として「気温の上昇によって大気中の水蒸気量が増えている」と指摘。

長期的には地球温暖化、都市部でのヒートアイランド現象の影響が考えられるとのことですが、今年については、「日本近海の海面水温が平年より高くて台風が発達しやすく、また気温が高い日が多かった影響」としています。

 

次に「水害や渇水に、社会としてどんな対策をすべきか」という「問」がなされます。

「日本は、どんな台風が来ようと、大雨が降ろうと、普段どおりの生活ができるような国土整備を目指してきました。でも、どんな大雨でも学校や会社に行けて、仕事ができるようにインフラを整備する財政的な余裕は残念ながらもうありません。次善の策として、普段の暮らしをいったん止め、コストをかけずに被害を抑えるしかないでしょう」

沖教授の言う「普段の暮らしを止める」とは「災害休日」というもので、台風が来るとわかっていたら、外出しない、会社を休みにするというものです。

水害が起きれば人が死ぬ恐れがありますが、それは数多いリスクのなかの1つです。国に財政的な余裕がない以上、水害対策だけにお金をつかうわけにはいきません。だから、「災害休日」という対処法は現実的なものでしょう。

 

この記事から離れますが、滋賀県の嘉田由紀子知事は、ダムだけに頼らない総合的な治水対策を進めるため、全国で初めて建築規制を盛り込んだ「流域治水推進条例案」を提案しています。

 

200年に1度の大雨を想定した浸水危険区域を指定し、地盤のかさ上げか避難所整備を求める内容です。

しかし、滋賀県議会最大会派の自民党は、「地元に一切説明がなく、声が反映されていない」「利害関係者が知らない状況では議会は判断できない」と反対しています。

私は、今後ますます激しくなる気候変動にともなう水害や渇水に、従来のやり方だけで対応するのは技術面、コスト面でむずかしいと考えています。ましてや災害のそなえて過剰なインフラを整備し、短期的な収益を上げ、将来に借金を残すなどもってのほかです。

沖教授の「災害休日」や嘉田知事の浸水危険区域の「建築規制」「かさ上げ」「避難所整備」は現実的な対策だと思います。

目の前のリスクをきちんと認識し、現実的にできることをやるべきでしょう。

 


 

 

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