週刊「水」ニュース・レポート    2013年11月20日号

 

 

 

【今回厳選したニュース  その1】

 

 


 

 

【ニュースを見る目】

 

今年3月、NASAは、火星に水が流れいてた痕跡があり、生命(微生物)が存在可能な時期があったと発表しました。

さらに、含水鉱物の存在も確認しています。

火星の液体の水のない惑星というイメージがありますが、かつては表層に液体の水が存在しうるほど、温暖で湿潤な惑星であったと考えられるようになりました。

火星は約30億年より古い地質体を中心に、多くの水の流れた痕跡が確認されています。

では、その水はどこから来たのかというのが今回の研究のはじまりです。

東工大の臼井寛裕助教授らの研究グループが、火星の「初生水(火星誕生時に火星内部に取り込まれた水)」の高精度水素同位体分析に世界で初めて成功しました。

共通の起源をもつ物質の水素同位体比は、形態が変わったり、移動したりしても、共通のトレンドにのるという性質をもっています。ですからこの値は、物質の起源を探るうえでとても重要です。

今回の研究の結果、火星の初生的水の水素同位体は、地球のそれと同様の値を示しました。

これによって、地球と火星の水が、似通った太陽系小天体を起源とすることがわかりました。

また、火星や地球の水の起源となった太陽系小天体は、これまで太陽系外縁を起源とする彗星と推察されてきましたが、火星-木星軌道間に位置する小惑星であることも同時に明らかになりました。

地球型惑星の水の起源が同定されることによって、私たちの生命の起源について、新たに何かわかるかもしれません。

 

  • この研究は、東工大地球惑星科学専攻の臼井寛裕助教授、NASAジョンソン宇宙センターおよび米カーネギー研究所の研究者らによるもので、詳細は学術誌「Earth and Planetary Science Letters」に掲載されています。
  • http://www.journals.elsevier.com/earth-and-planetary-science-letters/

 


 

 

【今回厳選したニュース  その2】

 

 


 

 

【ニュースを見る目】

 

水分子はH20で表わされ、1個の酸素原子に2個の水素原子が結び付いて成り立っています。

酸素が2つの手を出して、水素がそれぞれの手に結び付いている状態です。

これが水素結合と呼ばれるものです。弱い陽性の電荷をもつ水素原子を介して、陰性の電荷をもつ原子(酸素)間に作られる弱い結合です。

水の特殊な性質、沸点や融点が高いこと、表面張力などの性質があることは、この水素結合に原因があるのではないかと推察されていますが、その実、水素結合の実態はわからないことが多かったのです。

東京大学の研究チームは、液体の水の水素結合が作り出すネットワーク構造は「ミクロ不均一モデル」であることを裏付けることに成功したと発表しました。

液体の水は、水素結合様式の異なる状態が共存することがわかりました。水分子同士がさまざまな距離、角度で隣接し、場合によっては水分子同士を結び付けている水素結合の紐が切れたものもありました。

さらに通常の水素で構成される水素結合の紐のほうが、重水素で構成される水素結合の紐よりも切れている確率が高い可能性があることもわかりました。通常の水素で構成される水(軽水)と重水素で構成される水(重水)では、軽水のほうが沸点や融点が低いこともわかっているので、今後、水素結合が水の性質にどう影響しているのかがわかっていくだろうと思われます。

 


 

 

【その他の「水」ニュース】

 

  • 「バーチャルウォーターを感じられるインフォグラフィックス」
  • (ニュースではありませんがユニークなので紹介します)
  • http://www.angelamorelli.com/water/