週刊「水」ニュース・レポート 2013年11月27日号
【今回厳選したニュース】
- 「水硬度調べ県最優秀 柏原高校理科部 来年7月全国へ」
- (丹波新聞 2013年11月24日)
- http://tanba.jp/modules/topics/index.php?page=article&storyid=7401
【ニュースを見る目】
日本酒の硬度と、その「仕込み水」の硬度は、どちらが高いでしょう?
柏原高校理科部の調査によると、酒の硬度は「仕込み水」の硬度の約2倍になっていることがわかりました。
その原因は何かというのが、柏原高校理科部の研究です。
水の硬度は、(カルシウム量×2.5)+(マグネシウム量×4)という式で計算されます。
一般的に、水の硬度が変わるのは、湧き出す地層に関係しているとされます。
たとえば、ヨーロッパの地質は、多くが石灰岩層からなる堆積岩で、地下水がゆっくり地中を流れ、その間にミネラル分が溶け込んでいきます。
一方、火山国日本は、多くが軽石のような火成岩で形成され、また山から海岸までの傾斜が大きいため、地下水が流れる速度も速く、ミネラル分が溶けにくい。
このため日本の水は硬度が低く、ヨーロッパの水は硬度の高いのです。
ですが、今回の研究は、日本酒とその仕込み水の硬度の変化なので、水そのものは同じです。
柏原高校理科部は、酒の硬度が上がっている理由を、「米からミネラルが溶け出ているのではないか」という仮説をたて、 研究を始めました。
その結果、純水で炊き出した場合は、ミネラルが米から溶出していることが確認できたが、水の条件によっては仮説と逆になるケースもあったそうです。
おそらく仕込み水の成分によって、米のミネラルが溶け出しやすいもの、そうでないものがあると思われます。
柏原高校理科部は、来年7月の全国大会へ向けて研究を続けます。発表が待ち遠しいですね!
【その他の「水」ニュース】
- 「2万8千もの河川はいったいどこへ消えた?」
- (The Voice of Russia 2013年11月23日)
- http://japanese.ruvr.ru/2013_11_23/124872318/
- 「パキスタン水質汚染、健康被害が深刻化 未処理の生活用水利用」
- (SankeiBiz 2013年11月21日)
- http://www.sankeibiz.jp/econome/news/131121/ecb1311210600000-n1.htm