週刊「水」ニュース・レポート    2013年12月4日号

 

 

 

【今回厳選したニュース】

 

  • 「汚染水:観測用井戸から110万ベクレル検出  過去最高値」
  • (毎日新聞  2013年12月2日)

 


 

 

【ニュースを見る目】

 

東京電力福島第1原発の汚染水問題で、東電は2日、護岸に掘った観測用井戸で11月28日にくみ上げた地下水から、ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質を1リットル当たり110万ベクレル検出したと発表しました。

これまでの最高値は同91万ベクレル(11月25日)。

ベータ線を出す代表的な放射性物質ストロンチウム90の国の放出基準は同30ベクレル以下ですから、今回の値は、この基準の3万6000倍以上に当たります。

原因は何でしょうか。

トレンチ(配管などが通るトンネル)からの汚染水漏れについては対策が行われているので、やはり地中に放射性物質が存在していると考えるのが妥当です。土壌に放射性物質があるのですから、そこを通過する水はすべて汚染水になります。

その一方、汚染水対策を検討している国の有識者会議が、新たな対策を打ち出しました(12月3日発表)。

有識者会議はこれまで、建屋周辺の地盤を凍らせて(凍土壁)、地下水の流入を防ぐことなどを対策として打ち出していました。

今回はそれに加えて、5つの対策を打ち出しました。

 

  • 1)外側の壁を二重にした大型のタンクの設置→汚染水をためた約1000基に上るタンクからの漏えいを防ぐ

 

  • 2)建屋への損傷か所や配管が通る隙間をコンクリートで塞ぐ→建屋への新たな地下水の流入を抑える

 

  • 3)原発敷地の地表面をアスファルトなどで覆う→敷地内に降った雨がしみ込んで汚染水が増えるのを防ぐ

 

  • 4)凍土壁の周囲をさらに別の壁で囲うことを今後検討→凍土壁の効果を上げる

 

  • 5)汚染水から除去することが難しい放射性物質、トリチウムの処理については専門家の検討チームで議論する

 

5つについて解説しましょう。

1)から3)までは、当たり前過ぎる対策で、これまで何もされてないかったことのほうが疑問です。

4)は、「地中に存在する放射性物質」に、地下水が触れることによる汚染水の増加を防ぐ対策です。「凍土壁の効果を上げる」と説明されていますが、凍土壁をつくる冷却装置にトラブルがあると機能しなくなります。凍土壁をつくったあとに、地下に鉄やコンクリートで遮水壁をつくることが必要です。

5)については、汚染水から放射性物質を取り除く「アルプス」という装置がありますが、トリチウムは水そのものなので、アルプスでは取り除くことができません。

さらに言えば、水を使って冷却を続ける限り、汚染水は増えていきます。鉛をつかうなど、水以外の方法での核燃料の冷却を考える必要があるでしょう。

そして、こうした対策のコストはすべて税金で行われていることも忘れてはなりません。

 


 

 

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