週刊「水」ニュース・レポート    2014年1月29日号

 

 

 

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今日は「無水トイレ」について解説します。

日本でトイレと水というと「節水型トイレ」をイメージする人が多いでしょう。

東京都水道局の調査によると、家庭内で1日の水の使用量がいちばん多い場所はトイレで、全体の使用量の28%を占めます。

でもトイレの洗浄水量は年々減ってきているのです。

1975年以前は1回の使用で20リットルの水を使いましたが、便器メーカーが節水をテーマに改良をはじめると、1976年に13リットル、1993年に8リットルと減り、いまや4リットルの時代になりました。

なぜ洗浄水の量を劇的に減らすことができたのでしょう。

それは、形状が平らな「和式便器」から傾斜のある「洋式便器」に変わったことが大きいのです。トイレ革命といえます。平らな場所に置かれたものに水をかけて流すのと、傾斜地に置かれたものに水をかけて流すのとでは、どちらが水をたくさん使うでしょう。答えは言わずもがなですよね。

さらに、洗浄しやすい形状やタンクの排水口径などに工夫を凝らされた結果、水使用量をかつての5分の1におさえられるようになったのです。

これによって劇的な節水が可能になりました。

たとえば、洗浄水13リットルのトイレを、4リットルの節水トイレに替えると、4人家族の標準家庭での節水効果は2日間で約300リットルになります。

ですが、水洗トイレを使うには下水道や浄化槽が必要です。排泄物が流れつく先に処理プラントが設置されている下水道を使っている人は世界人口の5%程度。ほとんどの場合、汚水は処理されず、直接、川や海へ流れていきます。あるいは穴をほって溜められています。

洗浄水量を減らすのは、水洗トイレが利用できる地域にとってはよいことなのですが、そうでない地域にとってはあまり関係ないのです。まして、水不足の地域が多いのです。トイレを水で洗浄すること自体がむずかしいのです。

そうした地域では、別の発想のトイレが必要です。トイレ革命が必要です。

たとえば、このニュースで取り上げたような「無水トイレ」です。水のない地域では、水に頼らないトイレが必要だからです。

そして、もう1つの方向性が、屎尿の再利用です。そうすれば下水道に頼ることもありませんし、屎尿を資源として使うこともできます。

現在途上国の農村では、トイレのない生活を送っている人が3分の2ほどいるのですが、トイレ設置の優先順位は高いとはいえないのです。

費用を掛けてトイレを設置するという発想はあまりなく、費用がかからず、かつ何らかのメリットがないと受け入れられないケースがあります。

そのため糞尿を資源として活用しようという発想はとても大切なのです。

こうしたことから、現在、「世界を変えるトイレプロジェクト」というものも行われています。トイレの問題は水問題の重要なテーマの1つです。トイレ革命を起こせれば、1つの水問題を解決することができます。

 

 


 

 

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