週刊「水」ニュース・レポート    2014年3月12日号

 

 

 

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ヨーロッパでは各地で洪水が発生しています。先日もロンドンの洪水被害についてレポートしたとおりですが、今後はその規模、頻度ともに増加するとされています。

地球温暖化は水循環のバランスを崩し、水不足や洪水を引き起こします。

過去100年間で、地球の表面温度は0.74度上昇しましたが、このうち、1971年から2000年の30年のあいだに0.6度上がりました。さらに今世紀末には2度上昇するとの予測もあります。

水の多い地域では、地球温暖化によって気温が上がると、空気中にふくむことのできる水蒸気の量が増え、湿度が高くなります。湿度が高くなると雨が降りやすくなります。

一方、水の少ない地域では、温度上昇の影響で蒸発がよりさかんになるので水不足がひどくなります。地表温度が上がることによって土の水分が蒸発しやすくなるため、さらに乾燥がすすみ、水不足や干ばつが起こりやすくなります。

ヨーロッパは洪水が懸念されている地域です。

今回、Brenden Jongmanたちが行ったコンピューターシミュレーションでは、洪水による平均年間被害額は、現在から2050年までに500%増加するとされています。

2013年の大洪水では120億ユーロ(約1.7兆円)の損害が出ましたが、このレベルの洪水の頻度が、この期間に倍増する可能性が示唆されました。

そのため災害リスクファイナンスへの圧力が国家レベル、EUレベルで高まると予想されています。

ただし、具体的な洪水対策を行う自治体の手法はまちまちであり、財政面でも大きな差があります。ですから流域の治水ということを考えると、はたして効率的だろうかという疑問が残ります。ヨーロッパにはいくつもの国境を越えて流れる「国際河川」がたくさんあります。理論的には、流域ごとに一貫した治水対策を行うことがのぞましいのですが、いまのところそうなっていません。

いずれにしても、地球温暖化は防止する段階にはありません。温暖化を防止するための活動は継続しながら、温暖化してしまった地球にいかに適応するかを考える段階に入っています。

日本でも洪水の規模や頻度が増大すると予測されています。しかしながら、日本ではそうした認識が薄く「異常気象」で片付けられるケースが多いのです。厳しい現実を受け止めて早めに手を打つべきです。

 


 

 

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