週刊「水」ニュース・レポート    2014年4月30日号

 

 

 

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関西広域連合。

関西地区に住む人は知っていても、全国的にはあまり馴染みがないかもしれません。

関西広域連合は、関西の2府5県が結集し、平成22年12月1日に設立されました。現在の構成自治体は、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、和歌山県、鳥取県、徳島県、京都市、大阪市、堺市、神戸市(平成24年8月14日現在)です。

設立のねらいは、

 

  • 府県域を越える広域課題に取り組むこと
  • 地方分権の突破口を開き、日本を多極分散型の構造に転換すること

の2点です。

具体的には、防災、観光・文化振興、産業振興、医療、環境保全、資格試験・免許等、職員研修の7分野における広域事務からスタートしますが、将来的には港湾の一体的な管理や国道・河川の一体的な計画・整備・管理等に拡大していくことも視野に入れています。

 

地下水や河川の課題も府県域を越えます。ですから、関西広域連合でとりあつかう課題と考えられます。

具体的に言うと、滋賀県の琵琶湖から流れ出る瀬田川は、京都府内でほかの河川と合流して淀川となり、大阪湾へと注いでいます。ですから関西圏に水を供給する琵琶湖・淀川水系の管理を広域連合が担う「流域管理」を視野に入れています。

流域とは、降った雨が地表、地中を毛細血管のように絡み流れ、やがてひと筋に収斂していく単位です。同じ流域に住む人は、地表水、地下水という同じ瓶の水を使い、また、ときには洪水や渇水などの影響を受ける運命共同体に属しています。自然災害は県市区町村単位ではなく、流域単位で発生します。

ですから府県域を越えて課題に取り組むのは合理的です。

関西広域連合は、河川行政を担う国土交通省の地方整備局、水質や生態系を担当する環境省の環境事務所など、国の出先機関を廃止し、その権限を広域連合へ移すことを求めてきました。

しかしながら、権限や財源の縮小につながる省庁側は、そう簡単には応じません。

政府が示した出先機関の業務を移管する特例法案の骨子には、出先機関の業務を広域連合に移した後も、国が引き続き関与できる規定がちりばめられています。

超党派の国会議員が今国会での成立を目指した「水循環基本法案」には、かつて、同じ川や地下水から恩恵を受ける流域が主体となって(「流域連合」)水資源の保全や利用を考えていく理念が盛り込まれていましたが、今春成立した法律からは、「流域連合」という記述は消えました。

流域が水を管理すれば、治水や利水だけでなく、まちづくりを含めたきめ細かな取り組みができます。

国が「水の分権」をどこまで真剣に進め、地方はそれを受け止めていけるかが課題です。国は「水は国民共有の財産である」と理念だけを法律で定めているのだから、具体的なルールは自治体レベルでつくったほうがよいでしょう。

 


 

 

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