週刊「水」ニュース・レポート    2014年7月9日号

 

 

 

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2011年3月に発生した東日本大震災にともなう福島第一原発事故で放射性物質によって水が汚染されました。いえ、その汚染はいまなお拡大しています。

福島原発の地下には地下水脈が走っています。地下水は地下に止まっているものではなく、流れています。地下水は、地下を複雑に流れる川で、毎日1000トンの水が、事故を起こした原子炉建屋に流れ込んでいます。

事故前は、この水を汲み上げて海に流していましたが、事故で汲み上げる装置が故障しました。そのため水が原発施設のなかに入ったり、放射性物質で汚染された地下土壌を通過して直接海に出ている可能性もあります。

対策は2つとられていますが、いずれもうまくいっているとは言い難い。

1つ目はたまった汚染水の処理です。汚染水から放射性物質を取り除く「アルプス」という装置がありますが、汚染水濃度が高く十分に処理できていませんし、装置そのものも故障がちです。

2つ目は流れてくる地下水を止めることです。

福島第一原発では、高濃度の汚染水が建屋から「トレンチ」と呼ばれる地下のトンネルに流れ込み、ここから地下水に混ざって海に流れ出しているとみられています。このため東京電力は、ことし4月から2号機のトレンチの入り口に冷却用の配管を打ち込んで1か月程度で汚染水を凍らせ、氷の壁でふたをしたうえで汚染水を抜き取る計画でした。

しかし、2か月たった現在も十分に凍っていません。

東電は「水の流れがあるため、袋の周囲で水の温度が下がりきらない」と説明しています。

凍結管を2本追加し、水の流れを抑える対策も取ったが、効果は見えていません。

福島第一原発ではこれとは別に、建屋などへの地下水の流入を防ぐため1号機から4号機の周りの地盤を1.5キロにわたって凍らせる「凍土壁」の建設が進められています。

規制委員からは「凍土壁も同じような問題を抱えているのではないか」と指摘され、凍土壁はトレンチを横切るように設けられることから、建設への影響を懸念する声も上がっています。

莫大なエネルギーをつかって、流れる水を凍らせるプロジェクトは今後も難航が予想されます。

さらにエネルギーが止まると凍結できなくなるため惰弱です。そこで凍土壁をつくったあとに、地下に鉄やコンクリートで遮水壁をつくる必要があります。

汚染水の問題はあまり取り上げられなくなっていますが、事故から3年4か月経ったいまなお進行中で、決めてとなる対策が打てないままです。

 


 

 

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