週刊「水」ニュース・レポート    2014年7月23日号

 

 

 

【今回厳選したニュース】

 

  • 「工場撤退で水道36%値上げ・・・にかほ市」
  • (読売新聞  2014年7月20日)

 


 

 

【ニュースを見る目】

 

電子部品大手「TDK」の生産拠点再編などで工場の閉鎖や縮小が相次ぐ秋田県にかほ市が、工業用水の需要の激減により水道事業会計が破綻するとして、9月から水道料金を平均36.1%引き上げることになりました。

標準的な家庭では現行料金の35.8%、月額580円の大幅アップとなります。

鳥海山の伏流水に恵まれ、「東北6県の市で最も安い水道料金」を売りに工場を誘致してきましたが、今度はその撤退で市民が痛みを被ることになります。

水道離れというと、水道水からペットボトル水への切り替えが注目されますが、実際には、工業用水の減少のインパクトのほうが強いのです。

工場撤退のほか、企業が地下水利用をはじめたために、水道使用量が減少することもあります。

この現象は2000年代から起きており、札幌市では2009年度までの5年間に、地下水に切り替えた大口使用者分だけで年間約6億5000万円の水道料収入が減りました。

札幌市水道局は「不景気で企業の節水意識が高まったことと地下水への転換が相まって、これだけの減収になったと見られる。今のところ、転換を食い止める有効な対策はない」としています。

自治体の中には、記事のように、収入減少を値上げでカバーせざるを得なくなったところもあります。登別市は2007年の年度途中から家事用も合わせて水道料金を一律10%値上げしました。

逆に大口の水道料金を値下げすることで、地下水への転換を食い止めようとする自治体もあります。前橋市は、地下水転換をサポートする業者が市内に進出しようとしているとの情報をつかみ、先手を打ちました。月の使用量が300立方メートル以上だと1立方メートル当たり198円だった水道料金の従量分を、06年4月から3001〜6000立方メートルなら175円、1万1立方メートル以上だと155円などと割安にしました。

水道離れが加速すると、ただでさえ経営難に陥っている水道はまずます苦境に追い込まれます。

そして最終的には、ツケは市民にまわってきます。

しかし、あらためて「水道離れ」を考えてみると、これは事業者目線の言葉であることに気づきます。地下水利用は別にして、節水によって水道使用量が減るケースもあり、これは別の見方をすると「水を大切にしている」ということです。

大切につかうと事業が維持できなくなる、事業を維持するために大量使用をうながすという現象を見ると、仕組みの転換が必要ではないかと思います。

 


 

 

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