週刊「水」ニュース・レポート    2014年9月3日号

 

 

 

【今回厳選したニュース】

 

  • 「『家庭の負担少なく』水道料値下げ・・・佐賀・武雄」
  • (YOMIURI ONLINE  2014年8月26日)

 


 

 

【ニュースを見る目】

 

8月はいろいろなところで水の授業をしました。

企業の方、上下水道事業の方、市民の方、いろいろな話を聞かせてもらって、あらためて深く水のことを考えることができました。

印象に残ったのは、ある市民の方が「節水って意味があるんでしょうか」と言っていたことです。

その方の住む自治体では水道料金の値上げが検討されているのですが、その理由として、「市民の節水がすすんだこと」と情報発信しているというのです。市民が節水したことで、水道経営が悪化した、だから水道事業の持続性のために値上げします、という情報発信されている。少なくともその方はそう捉えていました。

 

  • 「節水して水道料金が上がるなら、もっと使おうかなと思うんですけど、どう思いますか?」

ぼくは、これは、いい課題をもらったな、と思いました。この話には日本の水道がかかえている課題が凝縮されていると思います。

まず、節水はよいことです。

節水が進めば、現在使っている水道インフラを大切につかうことができます。新しいダムや浄水場、下水処理場をつくらなくてもいい。それどころか古くなった浄水場、下水処理場をなくすこともできなす。施設を維持管理するコスト、エネルギーも減り、水道事業全体のスリム化がはかれるのです。

生態系への負荷も減ります。地下水や河川水を使う量が減りますし、下水を流す量も減ります。下水が減るということは豪雨に襲われても洪水になりにくい(合流式という下水と雨水をいっしょに集めるシステムの場合)、塩素添加された下水処理水が河川に与える影響も減らすことができます。

いちばん課題と考えるのは、水道事業と市民とのコミュニケーションが不足していることではないかと思います。情報発信があるのは、値上げのときだけ、そのときに「節水が進んだから値上げ」などと言われたら、市民との交流はすすまないでしょう。

水道経営は難しい状況です。人口の増加を想定した設備投資に反し、人口が減少しているケースもあるでしょう。そのことをつつみかくさず公開し、これからどういう水道をつくっていくかというビジョンを共有することが大切だと思います。

 


 

 

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