週刊「水」ニュース・レポート    2014年11月5日号

 

 

 

【今回厳選したニュース】

 

  • 「【栃木】東・西荒川流域規制対象に  高原山・尚仁沢  湧水保全条例」
  • (東京新聞  2014年11月1日)

 


 

 

【ニュースを見る目】

 

7月30日、栃木県塩谷町が、東京電力福島第一原発事故で発生した「指定廃棄物」の最終処分場に選定されました。

指定廃棄物がどのように処分され、それが水にどのような影響を与えるのかはわかりませんが、複雑な地下水脈をもつ場所が、最終処分場に選定されたことに、当初から反対の声が上がりました。

地元塩谷町は条例をつくって抵抗しました。それが9月19日に成立した「塩谷町高原山・尚仁沢湧水保全条例」です。指定地域で国や県、企業が廃棄物処理などの事業を計画した場合、町から開発許可を得なければなりません。事業概要は住民に公開され、審議会が許可の是非を話し合います。町長は審議会での意見を踏まえ、事業を許可するかどうかを最終判断します。

10月31日、対象地域を決める会議が行われました。高原山を水源とする東荒川、西荒川の流域。名水百選の尚仁沢湧水や、環境省が指定廃棄物の最終処分場候補地に選んだ国有林も含まれています。

見形和久町長は、今年3月に成立した「水循環基本法」に触れ、「国とわれわれの考えは同じだ」と言っています。

水循環基本法は「水は国民の共有財産」であることを明記しており、「塩谷町高原山・尚仁沢湧水保全条例」と精神は一致しています。

しかし、水循環基本法は理念法であり、具体的なことは定められていません。

また、水循環基本法の成立過程で次のようなことがありました。

国土交通省は法案に盛り込まれていた「河川横断構造物(堰・ダム等)の除却を義務付け」「雨水の地下浸透を阻害する行為の禁止」「行政機関以外の第三者機関等による水環境監視・是正命令等」「安全で健康かつ快適な水環境の恵沢を享受する基本的権利を創設」に異を唱え、削除されました。

最終処分場の建設に異を唱えたわけではありませんが、こうした行為を見ると、水循環が最優先されるというわけでもなさそうです。だから見形和久町長が、水循環基本法を頼みとしすぎるは危険です。

最終処分場はどこかにつくらなければならないものです。しかし、地下水資源な豊富な日本においては、どこにつくっても、将来にわたって水を汚染する可能性がゼロであると言い切れません。水循環基本法を盾にとられて最終処分場の建設ができないというのは、国としては頭の痛い問題になるので、早晩何らかの対抗策をとるでしょう。

この動きは塩谷町だけでなく、全国の自治体に関係していることなので、引き続きレポートしていきます。

 


 

 

【その他の「水」ニュース】