週刊「水」ニュース・レポート    2014年11月26日号

 

 

 

【今回厳選したニュース】

 

  • 「地下水法案の準備始まる(水循環基本法フォローアップ委員会)」

 


 

 

【ニュースを見る目】

 

11月20日、水制度改革議員連盟主催の水循環基本法フォローアップ委員会が衆議院第一議員会館で開かれました。水制度改革議員連盟は、「地下水保全法案を早期に国会上程する」としており、委員会では「次期通常国会での法案上程を目標に努力する」としました。

いったいなんのこと?  と思うかもしれませんね。そもそもの話をしますと、日本には地下水に関する法律がありませんでした。

だから外国人と水の話になると、「日本では土地を買えば、地下水が好き放題にくめるというのは本当か」と聞かれることがあります。「好き放題というわけではないけど、土地所有者に地下水の利用権がある」というと、とても驚かれます。

川の水、湖沼の水などの地表水は、「河川法」に基づいて水利権が設定されています。利用するには河川管理者の許可が必要で、地表水は「公のもの」とされています。

一方、地下水には明確な決まりごとがありません。

現状では、民法第207条の「土地の所有権は、法令の制限内において、その土地の上下に及ぶ」という規定が適用されています。つまり、法的には土地の所有者に、その地下に賦存する地下水の利用権があると解釈されています。

昭和40年代後半には「地下水を公の水」とする「地下水法案」が提案されたこともありました。しかし、地下水を利用する企業の反対、地下水管理したい省庁間の綱引きなどがあって、成立しませんでした。

それから40年以上が経過し、いまようやく、昭和40年代から先送りされ続けた宿題に手がつけられはじめました。

おぼろげながら浮かび上がった地下水法の青写真のごく一部を紹介すると次のようなものです。

 

  • 地下水は国民共有の財産である。
  • 地下水法の目的は、過剰な採取を制限すること、汚濁を防止すること、涵養(地表から地下に水を浸透させること)を促進すること。
  • 地下水は水循環の一部として考える。
  • 地下水の管理は、流域単位で行う。
  • 地域ごとに時間スケールを含めたモニタリングをすすめ、地下水の量、質の変化、地下水の許容使用量を把握する。
  • 大量取水する利用者には許可制度を導入する。
  • 地下水利用に関する負担金制度を導入し自治体の歳入にする。
  • 地下水の汚濁につながるような行為を予防する。
  • 地域ごとに涵養域を特定し涵養を実施する。

これから議論を重ねていくことになりますが、地下水法制定に向けた動きが加速しそうです。

 


 

 

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