週刊「水」ニュース・レポート    2015年1月14日号

 

 

 

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ビル・ゲイツ氏が、下水汚泥や排泄物を飲料水、電気、灰に変えるマシンに注目しているという記事です。

安全な飲み水にアクセスできない人は、同時に、不衛生なトイレや下水システムによる水源汚染という悩みを抱えています。その解決策としてこの記事で紹介されているのが「Omni Processor」で、米国シアトル州のエンジニアリング企業Janicki Bioenergy社が開発しました。

まずは以下にアクセスして「Omni Processor-S200」の全体像を見てください。

 

Omni Processorのしくみをごく簡単に説明すると次のとおりです。

 

  • バキュームカーなどからOmni Processorに入れられた下水汚泥・排泄物はベルトコンベアで乾燥炉に運ばれる
  • 排泄物は乾燥炉で、水蒸気と固形物に分けられる
  • 固形物はOmni Processorの蒸気エンジンの燃料となり、水蒸気は浄水システムを通過して安全な飲み水になる

Omni Processorは、1日に92.3立法メートルの下水汚泥(排泄物含む)を処理し、8万6000リットルの水を生み出します。この水はWHOや米国FDAの基準をクリアした安全な水です。Omni Processorの大きさは約12m×20mで今年後半にはセネガルでパイロット試験がはじまります。

92.3立法メートルの下水汚泥(排泄物含む)は約10万人分と考えられます。1日当たりに生み出す水は8万6000リットルなので、1人当たりにすると0.86リットル。人間の1日の飲料水は2リットル程度必要なので、Omni Processorではその半分程度しかまかなえません。

しかしながら、衛生の問題の解決にはとても有効なのではと思います。不衛生なトイレや下水システムの不備によって多くの人が病気に苦しみ、水源を汚す原因にもなっています。そうしたところは貧困地域が多く、日本のような下水システムを導入するのは難しいし、下水処理には大量のエネルギーも必要です。

Omni Processorの場合、下水汚泥からつくられたエネルギーによって作動するという自立型のシステムです。衛生の問題を解決するのに新たなエネルギーを必要とせず、飲み水もつくることができます。

Omni Processorに限らず、世界各地の水と衛生の問題を解決するには、こうした小規模で自立型のしくみが必要です。今後は日本でも小規模集落での水と衛生の問題、家畜の糞尿処理の問題などを解決するのに、こうしたシステムが役に立つでしょう。

Omni Processorのコストについては発表されていませんので、実用可能かどうかを含め、セネガルでのパイロット実験に注目しています。

 


 

 

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