週刊「水」ニュース・レポート    2015年1月28日号

 

 

 

【今回厳選したニュース】

 

 


 

 

【ニュースを見る目】

 

ジャガイモが主食になる。今日は、そんなニュースをクリップしました。

現在の世界の人口はおよそ72億3400万人(国連データから推計)とされますが、1分に137人、1日に20万人、1年で7000万人、増えています。世界中で1年間に6000万人が亡くなり、1億3000万人が産まれます。

人口の増加は、水不足、食料不足につながります。

地球にある利用可能な淡水のうち、約7割が農業に使われています。毎日食べているパンやごはんも、原料となる小麦や米をつくるときには、水が必要です。

にわとり、ブタ、牛などの家畜を育てるには、飲用水のほかに、飼料となる穀物などを育てるにも水が必要です。家畜を育て、食肉にするまでに使う水をすべて計算すると、莫大な量になります。

このように水と食は密接な関係にあります。

さて、ジャガイモ(学名  Solanum tuberosum)は、およそ8000年前、南米のアンデスを起源としています。長きにわたってアンデスの食、そして、アンデス文明を支えたとされています。「アンデス文明はトウモロコシ農耕を基礎に成立、発達した」というのが通説ですが、実際には、トウモロコシの生産量は少なく、先住民の食生活もジャガイモが中心だとされています。

現在、ジャガイモの推定栽培面積は19万平方キロメートルで、コムギ、トウモロコシ、イネについで第4位。その特徴は、他の作物と比べて、少量の水で生産できることです。比較してみましょう。

 

  • ジャガイモ1個:18.5リットル
  • パン1枚         :96リットル
  • ご飯お茶碗1杯:277.5リットル

 

ジャガイモは、狭い土地、厳しい気候条件のなかで速やかに育ち、多くの栄養を提供してくれます。栄養面での特徴を上げると、

 

  • 炭水化物が豊富で、エネルギー源になる
  • 需根作物、塊茎作物類のなかで最も多くのたんぱく質を含む
  • ビタミンCが豊富(中ぐらいの大きさのジャガイモ1個に、1日の推奨摂取量の約半分を含む)
  • カリウムが豊富(中ぐらいの大きさのジャガイモ1個に、1日の推奨摂取量の約5分の1を含む)

となります。こうしたことから、ジャガイモが今後の人口増加、水不足、食料不足のなかで、重要な役割を担うと考えられています。

では、ジャガイモがあるから安心、なのでしょうか?

私たちは、このニュースからもっと多くのことを考えなくてなりません。日本が食料の大部分を海外からの輸入に頼っています。

でも輸入先である中国、オーストラリア、アメリカは水不足に陥っていますから、これらの国から、いままでと同じように食料を輸入することはむずかしくなるでしょう。

また、食料を世界中から買い集めている一方で、世界一食べ物を無駄にする国でもあります。食品関連の事業から出る廃棄物は年間1916万トン(2012年度、農林水産省調べ)。業種別に見ると、食品製造業が1580万トン、食品卸売業が22万トン、食品小売業が122万トン、外食産業が192万トンです。また、一般家庭から出る廃棄物は年間1032万トンあります。

貧困や餓えで苦しんでいる人たちと、私たちの暮らしにはあまりにも大きな差があり、こうした格差があらゆる争いの根っこに横たわっているのです。

私たちにできることは、日本の水を上手につかって食べものをつくり、残さずに食べることです。

 


 

 

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