週刊「水」ニュース・レポート    2015年2月25日号

 

 

 

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地球は過去100年でじわじわと暑くなってきました。

1906〜2005年の100年のあいだに、世界の平均気温は0.74℃上昇したとされています。このうち1976〜2005年の30年のあいだに0.6℃上がりました。

企業活動では、石炭・石油・天然ガスなどの化石燃料をつかいます。

化石燃料は、燃えると温室効果ガスを出します。温室効果ガスは、太陽からの熱を地表にとどめるはたらきがあり、地球を適温に保って生物を守っています。ところが、私たちがたくさんの化石燃料をつかってきたために、必要以上にたくさんの温室効果ガスが出るようになっています。

この結果、地球の表面の温度が少しずつ上がっています。国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」 の第5次評価報告書(2013)は、今後についていくつかのシナリオを描いています。温室効果ガスの排出量が最も多かった場合、2100年の平均気温は、最大4.8℃上昇すると発表しました。

では、気候変動による影響をまとめてみましょう。

気候変動が進行すると、水、生態系、食料、沿岸域、健康などのさまざまな分野で影響が出ます。

水についていえば、気温上昇によって蒸発量が増え、豪雨による洪水や土石流、土砂災害などが増加します。また、健康に関する影響として、熱波や熱中症による死亡リスクの増加、熱帯性感染症の増加などがあげられます。

気候変動があなたの会社に与える影響について具体的に見ていくことにしましょう。

洪水によって原材料が不足したり、工場の操業が停止することもあるでしょう。アジアでは6億人以上が海抜10m以下の沿岸部に住んでおり、被害を受けやすいため、予報や警報のシステムを整備するなど、災害への耐性を強化することが必要です。アジア以外でも、米東海岸のハリケーン被害や南米ブラジルでの集中豪雨、欧州西部やアフリカ・チュニジア、オーストラリアでの降水量増大など、各地で激しい雨が増えています。

国内に目を向けると、東京、名古屋、大阪など大都市部に「0メートル地帯」が広がっています。こうしたところに拠点があると、操業リスクを受けやすいといえるでしょう。

原材料についても同じことがいえます。2010年、パキスタンを未曾有の大洪水が襲いました。7月末、北西部で記録的な大雨が降り、インダス川に沿って、洪水が中流のパンジャブ州や下流のシンド州に広がりました。国土の5分の1が水につかる深刻な事態となり、死者およそ1900人、被災者は2000万人に達し、経済は壊滅的な打撃を受けました。パキスタンは世界第4位の綿花の産地ですが、畑が水につかりました。綿花価格は高騰し、アパレル業界に大きな影響を与えました。

反対に干ばつの被害もあります。オーストラリアの干ばつが発生した際、オーストラリア産の小麦に大部分を依存しているうどん業界が大きな影響を受けました。

世界中から原材料を調達するグローバル化が進んでいる現在、温暖化によりサプライチェーンに影響を受ける可能性はどの企業にもあります。温暖化による農作物の収穫量低下は、食品産業の現材料調達コストの増大を招き、直接的に企業の財務面へ影響を及ぼします。

こうしたことを考えると企業活動は気候変動と密接な関わりがあることがわかります。

 


 

 

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