週刊「水」ニュース・レポート    2015年3月4日号

 

 

 

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いつまでも、あると思うな親と金、そして、水道。

今回ご紹介する「人口減少時代の水道料金はどうなるのか? 全国推計並びに報告書」はとてもショッキングなものです。これを見れば、水道を維持していくことの難しさがわかると思います。

水道料金は「建設したり維持にかかるコスト」を「水道をつかっている人の数」で頭割りして決まります。ということは、どういうときに水道料金が上がるでしょう? そうです。コストが増えたとき、つかっている人の数が減ったときです。

じつは、水道施設はだいぶ古くなっています。そろそろ更新しなくてはなりません。水道管が古くなって壊れてしまう事故は毎年多発しています。だからこれからコストはかかりそうです。一方で、人口は減っていきます。少し前に、人口が減少して消滅する自治体が出るということも話題になっていました。

水道を維持するコストはかかる。

水道を支える人口は減る。

これがほとんどの自治体がおかれている状況です。ある日突然、何の説明もなく水道料金の値上げが発表されるケースが数年前から続いていますが、今後はさらに増えるでしょう。それも劇的に。

報告書によると、2040年度までに水道料金の値上げが必要と推計される事業体は1221事業体で、分析対象全体のおよそ98%におよびます。そのうち30%以上の値上げが必要とされる事業体は604あります。

報告書は、最新の水道統計(2012年度)と、人口増減率集計データの最終年度(2040年度)から損益を計算しています。水道事業がいつ赤字に転落するかを推計し、その時点から2040年度までの累積赤字を解消するとしたら、必要な水道料金はいくらになるかを推計しています。

水道料金の上げ幅の多い事業体は以下のとおりです。水道料金は20㎥で計算しています。日本人の平均的な水使用量が1日300リットルなので、2人暮らしの場合、約1か月分の水道料金となります。

 

  •   1位 兵庫県播磨高原広域事務組合  現在:3500円 → 2040年:10447円
  •   2位 千葉県市原市         現在:2448円 → 2040年:  7185円
  •   3位 青森県深浦市         現在:6100円 → 2040年:17688円
  •   4位 山梨県東部地域広域水道企業団 現在:2490円 → 2040年:  7082円
  •   5位 宮城県女川町         現在:2248円 → 2040年:  6093円
  •   6位 千葉県山武市         現在:3920円 → 2040年:10321円
  •   7位 福岡県筑前町         現在:4100円 → 2040年:10497円
  •   8位 山梨県富士河口湖町       現在: 667円 → 2040年:  1680円
  •   9位 福岡県みやこ町        現在:4048円 → 2040年:  9859円
  • 10位 兵庫県佐用町           現在:3143円 → 2040年:  7652円

いかがですか。驚くほどの料金値上げだとは思いませんか。兵庫県播磨高原で2人暮らしをしている人は、1か月の水道料金が3500円から10447円になるのです。月の負担増は6947円、1年間の負担増は83364円です。

みなさんのところはどうでしょう。ぜひ調査報告書で確認してください。

 

いずれにしても、抜本的な対策を講じなければ水道経営の持続性はむずかしいでしょう。大幅に水道料金を値上げしなければ、とても維持できない水道施設、水道管路があることが明るみになったのですから。

なかには水道を維持できず、水道断絶を選択する地域もあるでしょう。

水汲みや給水車による給水は途上国でのことと思っている人が多いでしょう。でも、そんなことはないのです。大幅な値上げか、給水車のような代替手段を選択しなくてはならない地域があるのです。

これがラストチャンスだと思って早く手を打つべきです。国にたよってもおそらくほとんど力は貸してくれないでしょう。自治体レベルで真剣に水道の維持を考えなくてなりません。もしくは水道ではない代替手段を、です。

 


 

 

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