週刊「水」ニュース・レポート    2015年3月11日号

 

 

 

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福島第一原発から出る高濃度の放射性物質を含む汚染水(以下汚染水)。東京オリンピック招致活動の際、安倍首相は「完全にコントロールされている」と発言しました。しかし、それは世界中に流された嘘でした。汚染水はいまなお増え続けていますし、十分な対策もできず、太平洋に流れ出ています。

先月24日、東京電力が、福島第一原発の排水溝から汚染水(日量約1700トン)が外洋に漏れ続けるのを放置していたことがわかりました。

外洋への継続的な漏出を昨年4月に把握しながら公表せず、排水溝を専用港内に付け替えるなどの対策も取っていませんでした。

たとえば、昨年8月26日には、1リットル当たりセシウムが1010ベクレル、骨にたまりやすいストロンチウムは1500ベクレル。日常的に、両物質とも数十ベクレル以上のレベルで推移しています。

東電の隠蔽体質は事故後も何も変わらず、福島を裏切り続けています。

汚染水は外洋を直接汚し、雨のたび通常の百倍の濃度に高まります。

東電のモニタリングでは、原発の南北にある放水口近くの海水から1リットル当たり数ベクレル、高い時には10ベクレルを大きく超える放射性セシウムが検出されています。すなわち汚染水は海の浄化作用でもカバーしきれません。港内の海水を浄化する機能を強化しないと、復興に向けて試験操業を続ける地元の漁業者にとって大きな痛手となるでしょう。

東電が言う「対策の切り札」も十分に機能しているとは言えません。

1つ目の切り札は「凍土遮水壁」です。原発の建屋の周囲に約1.5キロにわたって約1700本の凍結管を埋め、地中を凍らせ、建屋に流入する前に地下水をせき止めます。現在、建屋に流れ込む地下水は1日約300トンですが、東電は、凍土壁により最終的な流入量を30トンまで減らせると試算しています。

しかし、これによって地下水脈がどのように変わり、水が原発の敷地に入らなくなるかどうかはわかりません。

また、建屋海側の地下には、ケーブルなどが通るトレンチと呼ばれる地下道が走っており、ここにたまった汚染水を抜き取ることができません。

もう1つの切り札は、汚染水から放射性物質を取り除く「多核種除去設備(ALPS)」。

既存の汚染水処理設備では主にセシウムしか除去できませんでしたが、現在は62種類の放射性物質を取り除けるようになりました。しかし、処理された後に発生するトリチウム水の取り扱いは決まっていません。これまでに処理された計約32万トンですが、敷地内には保管するタンクが増え続けています。

東日本大震災から今日で4年が経ちます。最近は震災と原発事故の「風化」が話題になることがありますが、それどころではありません。汚染水問題はいまなお進行中、拡大中で、決め手となる対策が打てないままです。

 


 

 

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