週刊「水」ニュース・レポート    2015年3月25日号

 

 

 

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近代の町づくりにおいては、雨は洪水をもたらす「やっかいもの」と考えられてきました。「下水道法」という法律では、雨水は下水という扱いになっていました。降った雨は、下水道を通じてすみやかに街の外へ追い出すべきものと考えられてきました。

簡単に言えば、私たちは、水をコンクリートで制圧しようとしてきたのです。堤防で川をまっすぐにし、水をできるだけ早く海に出そうとしてきました。

ですが、都会に降った雨を資源と見ることはできないでしょうか。

雨水はけっして汚水ではありません。降り始めこそ、大気中の粉塵などといっしょに降下するのでよごれていますが、降り出してから30分以上たった雨の水質はむしろ蒸留水に近いのです。

ですから、水源として利用することができます。雨水活用の先進地である東京都墨田区に行くと、個人住宅のなかに、雨水をためるタンクを見かけます。屋根や駐車場に降った雨水をといから導き、タンクにためます。市販の雨水利用タンクを備え付けている人もいれば、ホームセンターなどで売っている大きめのかめやプラスチック製のごみ容器を利用している人もいます。

たまった水は、トイレの流し水や洗濯、植物の水やりなどに利用します。なかには自宅の駐車場の地下に、巨大な貯水槽をつくっている人もいます。一トン以上の水が貯蔵でき、生活用水のほとんどをまかなっています。

雨水活用先進国のドイツでは、雨水を集め・貯め・活用するという一連の流れが「しくみ」として構築されています。都市の再開発が行われる際には、当たり前のように雨水活用施設が導入されます。

たとえば、ビルの屋根や路面から雨水を集めて地下の貯留槽に送り、トイレで利用する。あるいは屋上に降った雨水をトイレの流し水に使い、余ったらビオトープに流す。こうしたしくみが当たり前になっています。

日本でも昨年「雨水利用推進法」ができました。

この法律は、雨水を貯留する施設を家庭や事業所、公共施設に設置することを通じ、トイレの水や散水などに有効利用すると同時に、洪水を抑制することがねらいです。

 

  • 「国と独立行政法人の建築物は雨水貯留施設の設置目標を定め、地方自治体の建築物には努力義務を設定し、地方自治体が家庭などを対象に実施する助成制度へ国が財政支援するほか、調査研究の推進や技術者の育成にも努める」

とされています。

身近な水源を活用しながら、治水のことも考えていきたいですね。

 


 

 

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