週刊「水」ニュース・レポート    2015年6月3日号

 

 

 

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6月1日から「水道週間」なので、各地で水道に関するキャンペーンが行われています。この記事の東京都水道局のとりくみもそうです。

ミネラルウォーターと東京水を飲み比べて、味に遜色のないこと、だからもっと蛇口から水を飲みましょうよ、ということが言いたいのだと思います。

 

を見ると、「水道水VSミネラルウォーター」という対決の構図が明確に打ち出されています。「飲み水」ということに特化して考えると、この対決の構図に疑問をもつ人は少ないでしょう。

 

  • 「水道水も意外とおいしいよ!」
  • 「いやいやミネラルウォーターのほうがおいしいよ!」
  • 「水道水の安全規準のほうがミネラルウォーターより厳しいんだよ!」
  • 「マンションの貯水槽が汚れていたら水道水に異物が混入するかもしれないじゃないか!」
  • 「水道水とミネラルウォーターの料金を比べてごらんよ。水道水は1リットル0.25円、ミネラルウォーターは100円だよ!」

などと議論は尽きないのですが、水道にとっていちばん大切なことは何だろうかと思うわけです。

味なの?

ミネラルウォーターより「おいしい」ことが水道の至上命題なのか?

いや、そうではないでしょう。

水道水は生活に欠かせません。飲み水以外にも、洗濯、風呂、トイレなど、衛生的な生活を送るために水は欠かせません。

そうなると水道水に求められるのは、「安全であること」、「安いこと」、「持続性のあること」です。いくらおしくても高かったら生活は苦しくなってしまいますし、ある日突然停止するようなことがあれば大混乱に陥るでしょう。

では、おいしい水道水をつくるということはどういうことか。

東京の場合、水源の利根川、荒川、多摩川などは、20世紀後半に比べてきれいになってはきましたが、それでもそのまま飲めるようなレベルではありません。そこで設備とお金をかけておいしくする必要があります。

かつてはお金のかからない「緩速ろ過」の浄水場も動いていましたが、いまはどんどん高度な技術が採用され、コストも増加しています。

単純に考えれば、おいしい水をつくると金がかかり、それが水道料金に加算されることになります。人口の多い東京では、わずかな値上がりですむのでしょうが、人口減少が進んでいる地方では、値上げ幅も大きくなります。少ない人口では水道事業を支えることができず、経営破綻してしまうこともあるでしょう。

こうなると水道事業の使命は果たせなくなります。

水道水がおいしいのはうれしいことです。でも、そこに、こだわり過ぎる時代は終わったのではないかと思います。

水道事業者の方のなかには、ミネラルウォーターを目の敵にしている人もいるようですが、水道とミネラルウォーターの枠組みをとらえ直すことも必要でしょう。

水道水は生活必需品であり、ミネラルウォーターは嗜好品です。ミネラルウォーターで洗濯をしたり、トイレを流す人はいません。そのことに水道事業者の人は誇りをもち、持続可能な水道経営というものを真剣に考えてほしいです。

 


 

 

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