週刊「水」ニュース・レポート    2015年6月10日号

 

 

 

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今日は、国連がまとめる「持続可能な開発目標」と「まちづくり」という一見あまり関係ないことを結びつけて考える勉強会についてです。

皆さんは、「ミレニアム開発目標」というのを聞いたことがありますか?

2000年につくられ、開発途上国の貧国を中心とした課題を解決するために、さまざまな目標が立てられました。その目標の設定期間が2015年に終わるため、数年前から次の「持続可能な開発目標」についての議論が世界各地で重ねられてきました。

そして、7月末ころにまとめられ、その後、世界は定められた目標に向かって動きはじめます。「持続可能な開発目標」は開発途上国支援を目的にしたものではなく、世界のすべての国や地域の持続可能性を目的としたものです。ですから、皆さんの住む国や地域にも関係してくることなのです。

「持続可能な開発目標」は現在17個あげられていますが、その多くに関係してくるのが「水」です。

「持続可能な水源と水と衛生の確保」(Goal6)というのはもちろんなのですが、

「貧困の解消」(Goal1)とはまさに水問題です。水のないところでは生産活動ができませんし、水汲みなどの労働に多くの時間を費やさなくてはならず、衛生的な暮らしもむずかしいため、貧困のスパイラルに陥ります。

「持続可能な農業の促進」(Goal2)を行うには水をどのように利用するかが課題です。なぜなら世界の淡水資源の7割は食料生産につかわれており、水不足が進行したために食料生産ができなくなっています。

「健康な生活の確保」(Goal3)も水に関係しています。衛生的な生活には少なくとも1人1日20リットルの水が必要ですし、不衛生な水しかない地域では、水を媒介する病原菌などが原因で、多くの幼い命が失われています。

「継続的、包括的かつ持続可能な経済成長」(Goal8)には企業の水利用のあり方を見直すべきです。生産には多大な水を使用しますが、それが地元住民と奪い合いになることも増えてくるのではないかと覆います。

「レジリエントな(回復力のある)インフラの構築」(Goal9)という点では、まさに日本の上下水道や治水政策がこれにあたります。水道経営が破綻寸前であり、治水もコンクリートで水をコントロールするには限界があります。持続可能な利水・治水政策を考える必要があります。

「安全、レジリエント、かつ持続可能な都市および居住区」(Goal11)、「気候変動およびその影響と闘うための緊急の行動」(Goal13 )という点では、豪雨に対する備えがすぐに頭に浮かぶでしょう。これまで考えられなかったような豪雨が地球温暖化とともに日常的になるなか、まち全体としていかに気候変動に備えていくかが課題です。

さらに「海浜および海洋資源の保存」(Goal14)、「陸圏生態系の保護、森林の持続的な管理、砂漠化への対処、土壌侵食の防止および転換、生物多様性の損失の防止」(Goal15)などは、日本が課題としている水循環の健全化にあたります。

ざっとながめただけでも、これだけの内容が水と関係しており、まちづくりのなかで重要な要素になっています。

「持続可能な開発目標」は「お勉強」するものではありません。自分たちのまちづくりの「物差し」とか「点検項目」になり得るものです。皆さんもこの物差しをつかってご自身のまちを点検してはどうでしょう?

 

 


 

 

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