週刊「水」ニュース・レポート    2016年2月24日号

 

 

 

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米国の鉛汚染は深刻さを増すばかりですが、日本にも鉛水道管の問題があることをご存知でしょうか?

もちろん米国の鉛汚染とは規模はまったく違うのですが、この機会に、私たちの身近な問題を紹介しようと思います。

健康被害の可能性がある上水道用の鉛製給水管(鉛管)を使用世帯が、香川の37.52パーセントを最高に、19府県で10パーセントを超えています。鉛管はサビに強く、加工しやすいことから、水道普及当初から、家庭用給水管(本管から家庭の蛇口までの給水管)として使用されてきました。

しかし、長時間水道を使用しなかった場合、ごく微量ですが、水道水に鉛が溶けだす可能性があります。鉛は蓄積性の毒物で、長期にわたり多量に摂取すると、疲労、頭痛、関節痛、胃腸障害等の症状が現れます。

とくに乳幼児や妊婦は影響を受けやすいとされています。鉛の水質基準は、1992年まで1リットル当たり0.1ミリグラムでしたが、2003年には同0.01ミリグラムに厳格化されました。

厚生労働省は、水道事業の現状や見通しを示した2004年の「水道ビジョン」以降、鉛管を「早期にゼロにする」という目標を掲げました。自治体(水道事業者)は、鉛管の布設を止め、鉛管の取替え作業を順次行っていますが、一部の地域は依然として鉛管が残っています。

給水管とは一般に、道路に埋められた水道管(配水管)から分岐して、宅内の蛇口まで配管された個人が所有する管のことを指します。給水管は個人所有のため、費用は原則個人負担です。管の長さによって異なりますが、数万円から数十万円必要です。そのため交換が進んでいません。

交換の際の工事費などの助成制度のある自治体もあります。しかし、制度の認知度が低く、制度が利用されていません。また、助成制度にも限界があります。給水人口の減少や施設の老朽化などの課題を抱え、財政的に余裕がないため、国の支援を求めています。

では、どうしたらよいでしょうか。

まず自宅が鉛管かどうかを知ることです。1990年代までに給水管の工事を行った住宅や古いマンションでは鉛管が使われている可能性があります。(東京都では1995年3月31日をもって全面使用禁止)。自治体によっては給水台帳などで確認でき、水道メーターの交換時に調べているところもあります。玄関付近や駐車場などに設置されたメーターボックスのふたを開け、装置の前後の管が鈍い灰色をしていたら鉛管の可能性があります。見分けがつかない場合は水道事業者に連絡しましょう。また、交換にあたっては、助成制度の有無を確認しましょう。

鉛管でも通常に使用しているなら問題ありません。引越しして長期間つかっていなかった水道を使いはじめるとき、旅行などで家を留守にしたとき、朝一番の使い始めの水は、水道管に滞留していた時間が長いため、普段より鉛の濃度が高くなることがあります。使い初めの水は、バケツ1杯程度(10〜15リットル)を飲用以外に使用することをお勧めします。

 


 

 

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