週刊「水」ニュース・レポート    2016年4月13日号

 

 

 

【今回厳選したニュース・レポート】

 

 


国交省関東地方整備局が4月6日、この冬の積雪量について報告しています。

まず、尾瀬の「積雪深」。最も深かったのは2月10日の172センチ。これは1954年の観測開始以来最低、過去62年間の平均60%でした。みなかみ町の藤原ダムで毎日降った雪を足し合わせた「累加積雪量」は335センチ。こちらはダムが完成した58年以来最低、過去58年間の平均46%でした。

原因は暖冬です。日本では1月後半、西日本を中心に一時的に強い寒波に見舞われたものの、全国的に異例の暖冬となりました。特に関東以西で高温傾向が目立ち、気温は関東、東海で平年より1.4度高く、近畿から九州は同1度高くなりました。名古屋市や京都市など13地点でも、冬の平均気温が最高となり、観測記録を更新しました。

そのため降雪量が大幅に減り、融雪時期も早くなりました。「いつもなら5月の大型連休まで山に雪があったが、今年は3月には解けていた」という場所が多いのです。

冬場の雪は貴重な水資源。それが無いということは、水不足になります。

雪不足は全国的な傾向です。

富山市の昨年11月から今年4月7日までの積雪量は平年比35%。

青森県八戸市で同20%、山形市で同37%、新潟県佐渡市で同41%にとどまる。

豪雪地帯の新潟県十日町市の積雪水量は362ミリと平年(720ミリ)の50%。

東北から中国・四国に掛けて広い範囲で米作りに必要な水が足りなくなる恐れが出てきました。気象庁によると、今冬の積雪量が平年の半分以下という地域が続出しており、雪解け水を稲作に活用する地域では農家の不安は大きいでしょう。

農水省は、春先の代かき用に農業用水が不足する恐れがあるとして、雪解け水に依存している地域に対し、

 

  • 事前に利水の話し合いを進める
  • 水不足が見込まれる場合は番水や用排水の反復利用を行う

など、利水調整の話し合いなど対策を呼び掛けています。

平成6年の大渇水の際は、河川水の取水制限があちこちで起こり、農業が影響を受け、企業活動がストップしました。一時的に大量の地下水をくみ上げたため、濃尾平野では地盤沈下が進みました。

さらに少雨が続くと夏場には大渇水になるでしょう。

いまのうちから水を大切にする習慣を身につけておきましょう。アクアスフィアのサイトに

 

 


 

【今回厳選したニュース・レポート その2】

 

 


地方の小さな自治体で、首長から水道や下水道の拡張計画をイキイキと聞かされることがありますが、本当に大丈夫なのかと思い、その町のマスタープランを確認しています。

人口減少地域への上下水道新設は、市民のためでなく地元業者のためではないかと感じてしまうことがあります。現状の井戸と浄化槽で十分ではないか、と。

いま各地で水道料金の値上げラッシュが続いています。この4月から、吹田市(大阪府)では10%、宇治市(京都府)では14.4%、君津市(千葉県)では16.2%の値上げです。

老朽化した施設の更新や水使用量の減少が値上げの理由で、自治体ごとの水道料金の差は開くばかりです。約1か月の使用量とされる20立法メートル当たりの水道料金でいちばん安いのは富士河口湖町(山梨県)の835円、いちばん高いのは夕張市(北海道)の6841円です。人口減少の進む自治体では今後も値上げが予測され、生活に負担に感じる人が増えることでしょう。

それに加えて、今後、下水道の大幅値上げがやってくるでしょう。

下水道の維持管理と更新の費用は、2013年度は8900億円でしたが、2033年度は1兆3500億円です(出所:財務省「経済・財政再生計画」の着実な実施」)。

上水道は資産維持費を利用者から徴収できるしくみですが、下水道の場合、資産維持費を使用料を算定する上での原価に算入していない。そのため上水道の維持管理費の積立金が3155億円あるのに対し、下水道は125億円しかありません。

更新のことは考えずに新設してきた無計画さが、値上げという結果になってあらわれます。現状の設備も維持するかどうかを見極める時代です。インフラをこれ以上は更新しないという地域が出てくる時代です。人口減少地域への新設は見直したほうがいいでしょう。