週刊「水」ニュース・レポート    2016年7月14日号

 

 

 

【今回厳選したニュース・レポート】

 

  • 「渇水詐欺?なんかに負けない(笑)節水術あれこれ」
  • (アクアスフィア 橋本淳司)

 


岐阜県で「渇水詐欺」が現れました。

同県在住の男性が、7月4日(月)22時頃、国土交通省職員を名乗る男女2名の訪問を受けました。2人は国土交通省の名刺(所属は未記入)を出し、男性に「岐阜県が渇水になった場合でも、50万円を払えば水を自由に使えるようになる」と言ったとのことです。不審に思った男性が国土交通省に確認の電話を入れ、「渇水に便乗した詐欺未遂」であることがわかりました。

しかし、渇水になっても50万円払えば水を自由に使えるようにするって、いったいどんな方法なんでしょうか。毎日給水車が水を運んでくるのでしょうか。水に困っている人がいるところには、必ず「水詐欺師」が現われます。ご注意ください。

さて、首都圏の渇水は、6月13日未明以降、毎日少しずつ雨が降ったことによって、ダム湖表面から蒸発していくぶんが補われています。

利根川上流8ダムの貯水率は6月14日から横ばいになっており、現在は59%。それでも貯水量は現在の8ダム体制(平成4年以降)の過去25年間で最少のままです(平年の53%)。

気象庁の1ヶ月予報(7月9日〜8月8日)によると、7月下旬までは平年同様、曇りや雨の日が多く、それ以降は晴れが続く見込みです。梅雨の終盤にまとまった雨が降るかどうかによって、今後の状況は変わるでしょう。

雨が降らなければ、気温の上昇とともに蒸発量も増えていくため、取水制限が20%になったり(現在は10%)、給水制限がはじまることもあるでしょう。

いずれにしても引き続き節水は必要ですね。

今日は具体的な節水術についてお話ししたいと思いますが、まずは自分がどれくらい水を使っているのかを知ることからはじめましょう!

日本における1日1人当たりの水使用量は289L(国土交通省「水資源白書」平成26年版)です。

その内訳は、

 

  • お風呂・シャワー 40%(116リットル)
  • トイレ 22%(64リットル)
  • 炊 事 17%(49リットル)
  • 洗 濯 15%(43リットル)
  • その他  6%(17リットル)

となっています。

これはヨーロッパに比べるととても多い。ヨーロッパにおける1日1人当たりの水使用量は150リットルですから日本では2倍弱つかっていることになります。

たとえば、ドイツでの内訳をみると、炊事とシャワーで85リットル、洗濯が20リットル、トイレが45リットルです。

もちろんヨーロッパと日本では気候風土や文化の違いがあるので、いちがいにどちらがよいとは言えませんが、ヨーロッパの水の使用方法から学べることはあると思います。

炊事の水が少ないのは、大型の食器洗い機(大容量の60センチ幅)で1日分の食器をまとめて洗う習慣があるから。日本の食器洗い機の普及率は30%程度ですが、ヨーロッパの普及率は70%を超えています。大型でも13リットル前後と少ない水量で、多くの食器を洗うことができますし、水(湯)をフィルターで濾過し、循環させて使います。

洗濯はドイツの方が圧倒的に少ないですね。気温と湿度が低いこと、歴史的な習慣とで、そもそも洗濯の頻度が日本に比べて少ないことと、洗濯機のしくみが違うこと、最近では雨水活用する家庭も多いことなどがその理由です。

シャワーに関しては、毎日浴びません。これも気温の低さ、湿度の低さに関係しています。

トイレは、洗浄水量に規制をかけています。洗浄水量の制限は1回6Lが主流です。さらにアメリカのカリフォルニア州、ジョージア州、テキサス州など一部の地域では、4.8Lという厳しい規制を設けています。もし世界中の6L便器が4.8Lに替わると仮定すると、なんと年間2億トンの節水と、12万トンのCO2削減ができます。

こうしたことを参考にしながら、日本でできることを考えてみました。

<全体として>

 

  • 蛇口から出る水の量を計る
    家庭内には台所、風呂場、洗面所などに蛇口(シャワーヘッド)があります。
    最近節水に関する報道も多く、「蛇口からは1分間に12リットルの水が出ますので、5分間出しっぱなしで使うと60リットルになります」などと言われます。
    でも、それぞれの蛇口によって1分間に出る水の量は違います。蛇口の構造や水圧によって変わります。
    先日、お風呂場から出る水の量を計ってみました。10リットル入るバケツに水がいっぱいになるのに28秒かかりました。1分間だと約22リットルになります。報道の「1分間12リットル」と実際の22リットルでは大違いですね。
    そのうえで蛇口に「この蛇口からは1分間に22リットルの水」が出ますと書いておきます。すると水を使う意識が高まります。たくさん出る蛇口の使い方を注意すると節水効果は高いです。
    たとえば、シャワーヘッドからは1分間に15リットルの水(お湯)が出たとします。これまで12分シャワーを浴びていた人が8分間にしたととすると、15リットル×4分間で60リットルの節水になります。
    ぜひ、蛇口から出る水の量を計ってみてください。

  • 蛇口から出る水の量を減らす
    蛇口から出る水の量は器具についている水圧を調整するつまみで増減させることができます。出過ぎていると感じたら調整してみましょう。

次にシーン別に考えてみましょう。

<洗濯>

  • 洗濯を数日に1回にしてみる
    こまめに洗濯すると水を大量に使ってしまいます。家族人数が多い場合は毎日洗濯しなければいけませんが、1人暮らしなら数日に1回でも十分ではないでしょうか。

<お風呂・シャワー>

  • シャワーをこまめに止める
    こまめにシャワーを止めるだけでも節水になります。

  • お湯を少なめにはる
    バスタブはいっぱいにすると200リットルです。半分くらいの水位なら100リットルです。4分の1なら50リットルです。半身浴もおすすめです。

  • 残り湯を洗濯で使う
    残り湯を使うときは「洗い」のみで使用し、「すすぎ」は水で行います。温かい状態の残り湯を使えば、冷たい水道水で洗うのと比べてグンと汚れは落ちやすくなります。
    風呂の残り水は雑菌が気になるという人もいるでしょう。風呂の入り方で雑菌が入りにくくなります。タオルをお湯につけない、汚れが落ちたりしないようにフタを閉めておく、お湯に浮いた髪の毛やゴミは取り除く、体を洗ってからお湯に入る、などです。

<炊事>

  • 水を流しっぱなしにしない
  • 油汚れは拭きとってから洗う
    油や汚れがたくさん付いている場合は、あらかじめ汚れをふき取っておくといいです。捨てる紙(新聞紙など)でふき取ればティッシュやキッチンペーパー等を無駄にしないので効率的。最近では汚れを取る専用のヘラも売られていますよ。

<トイレ>

  • 二度流しをやめる
  • 小は「大」で流さない
    大と小のレバーがある家庭が多いと思います。なんとなくいつも大のレバーで流してしまっている人もいると思うのですが、実はこれをしっかりと使い分けることも節水につながっていくのです。大で流すと6リットル、小で流すと5リットルと、それだけでも節水ができますね。

最後に一昨年の「世界水の日」にジャッキー・チェンが「水の大切さ」と驚くべき節水術を話していたので紹介します。

ジャッキー・チェンは、砂漠で撮影した自身の映画「天降雄師」を振り返り「5日間だけでも2000箱のミネラルウォーターを飲み切った。飲用水が大量消耗されるのを実感し、私は飲用水の節約問題を重視するようになった」といいます。

それでジャッキー・チェンが何をしたかというと、1つ目はペットボトルに一人ひとりが名前を書きました。こうすることで飲み残したまま次をあけることなく、1人ひとりがきっちり最後まで飲むようにしました。

2つ目はトイレのまとめながし。おしっこをするときは数人でトイレに行って1回流すことにしたそうです。小便器のフラッシュ水の量は1回約4リットル(最新型は3リットルとも)なので、かりに3人で1回のフラッシュとすると、8リットルの節水になる計算になりますね。

このように、いろいろな工夫の仕方があります。ぜひやれるところからやってみてください。