週刊「水」ニュース・レポート    2016年11月30日号

 

 

 

【今回厳選したニュース・レポート】

 

  • 「地域で管理してきた簡易水道で起きた悲劇」
  • (アクアスフィア 橋本淳司)

 


11月26日午後6時20分ごろ、大分県日出町藤原の簡易水道設備の小屋で爆発事故が起きました。男性3人が病院に搬送され、70歳男性が死亡、2人が重軽傷を負いました。

現場周辺では午後5時頃から水道が出なくなり、近隣の住民数人が水道の供給元となる小屋を調べに来ていました。

事故当時、死傷した男性のうちの1人が小屋の中にあるタンク(高さ約1メートル、直径数十センチ)に乗って調べていたところ、タンクが接続部分から外れて吹き飛び、天井に衝突したとみられています。

この水道設備は導入してから30年ほど経過しています。原因は圧力容器の老朽化。圧力容器の溶接部が腐食し、破断したのでしょう。わかりやすくいえば、ペットボトルロケットと同じ原理で胴体部が飛んだようです。

この水道は簡易水道です。「簡易」と言っても、施設の設備が簡単なものということではありません。簡易水道とは、水を届ける人数が100人から5,000人までの水道のことを指します。

大分市はこれまで簡易水道を市の水道に切り替えてきましたが、やはり限界があり、地域の簡易水道が必要です。

これは全国どこでも同じでしょう。水道を広域化し統合しようとしていますが、広域化した場所の片隅に広域化には適さない水道があるのです。

この簡易水道は住民が自主管理していました。知識の乏しい高齢者が日常的に管理していました。でもある程度の知識がある人でも危険の察知はむずかしかったと思われます。

今後多発するであろう、こうしたケースをどう課題としてとらえていくかが大切でしょう。

事故を契機に、管理体制強化の義務付けなどが考えられますが、それは安易なやり方ではないでしょうか。

小規模水道管理のハードルをいたずらにあげるより、実際に住民でも管理ができる仕組み、安価な方法の導入が現実的ではないでしょうか。

管理についても、基本は自主管理で、生協がトラックで食べものを売りに来るような感じで、定期的な巡回管理のしくみがあるとよいでしょう。