週刊「水」ニュース・レポート    2016年12月7日号

 

 

 

【今回厳選したニュース・レポート】

 

  • 「自社拠点やサプライチェーンのなかで水リスクがある日本企業は66%」
  • (アクアスフィア 橋本淳司)

 


2016年12月5日、東京都渋谷区にある国連大学にて「Water Styleサミット with CDP 2016ウォーター日本報告会」が開催されました。

CDPは企業や都市の環境への取り組みを調査・評価・開示するための国際非営利団体(NGO)。機関投資家に代わり企業に環境リスクへの対応戦略の開示を求めています。「気候変動」に関する活動は世界827の投資機関(運用資産合計100兆ドル)が支援しており、「水」に関する活動は、世界643の投資機関(運用資産合計67兆ドル)が支援しています。

調査結果は機関投資家やDJSI(Dow Jones Sustainability Index)、FTSEなどのSRIインデックスに広く活用されています。投資家にとって企業が環境リスクを抱えているかどうかは投資先選定の判断材料になます。それゆえ企業としては無視できないものとなっています。

水リスク認識や対応戦略を問う「CDPウォーター」は世界の上場企業1252社に質問書を送付。

主な質問内容は、水に関する目標の有無や、サプライヤーに水リスクや水の使用量の報告を求めているかどうかなど。サプライヤーに水リスクに関する報告を要請している日本企業は41%となり、15年の23%から上回りました。自社拠点やサプライチェーンのなかで水リスクがあると答えた日本企業は66%に及んんで、水リスクに対する理解も少しずつ浸透しています。

全世界の調査対象企業1,252社の中から選定された、「Aリスト企業」24社のなかに、日本企業は6社選定されました。ソニー、トヨタ自動車、サントリー食品、三菱電機、花王、キリンホールディングの6社です。

グローバル企業の経営者が「水リスク」を意識しはじめているということでしょう。

生産活動には水が不可欠です。工業用水の約8割は冷却や加熱用水として使用され、次に製品処理や洗浄に使用されます。業種別では化学工業と鉄鋼業での使用量が多く、総使用量の6割以上に相当し、それに続くのがパルプ・紙・紙加工品製造業。生産拠点周辺が水不足になれば生産活動に赤信号が灯ります。

グローバル化の進展にともない世界各地に日本企業の製造拠点、原材料生産地があるが、多くの国で水環境は悪化しています。

水リスクは今後益々高まるでしょう。企業が自社の水課題を解決するにはおおまかに3段階あります。第1段階は、水問題が自社にどのような影響を与え、また自社の事業が水環境にどう影響するかを把握すること。第2段階は現状を踏まえたうえでの水リスク対策とその影響をマネジメントすること。第3段階は水問題解決に向けてステークホルダーとともにアクションを起こすことです。