週刊「水」ニュース・レポート    2016年12月14日号

 

 

 

【今回厳選したニュース・レポート】

 

  • 「今年のお正月の天気を覚えていますか?」
  • (アクアスフィア 橋本淳司)

 


 

 

というニュースが飛び込んできました。インドや東南アジアでサイクロン、熱帯低気圧が吹き荒れて、多くの犠牲者が出ています。12月になったのに海水温は依然として高めです。

そこで今年のお正月の天気がどうだったのかを振り返ってみたいと思います。

覚えてますか? 今年のお正月のお天気?

感想を一言で言えば、「暖かかった」。

群馬県にあるわが家の庭では蝋梅が例年より早く黄色い花を咲かせました。

東京の気温は1月3日に16.2度まで上がりました。1月上旬に3日連続で15度以上を記録したのは、1979年以来37年ぶりのことです。

沖縄では20地点以上で25度以上になりました。新年早々いきなり夏日です。

各地のスキー場は好天に泣きました。人工降雪機のないところは営業できず、オープン日が記録的な遅さになるところがいくつもありました。スキー場を経営する友人は、「年末年始、家族連れに来てもらいたかったが当てが外れた。まさかここまで降らないとは…」と嘆いていました。

暖冬と深い関わりがあると言われているのが「エルニーニョ現象」でした。

エルニーニョ現象とは太平洋赤道域の日付変更線付近から南米ペルー沿岸にかけての広い海域で、海面水温が平年より高い状態が約1年続くことを指します。

一方で太平洋西側のフィリピン沖では海水温が低くなります。今回のエルニーニョは、昨年1月から海面水温が上がりはじめ、10月の平均海面水温は平年のプラス2.7度まで上昇しました。これは10月としては1950年以降2番目に大きい値でした。

国連機関である世界気象機関(WMO)の専門家は、現在のエルニーニョ現象が過去最大規模であることから、「スーパーエルニーニョ」とか「ゴジラエルニーニョ」などと呼ばれています。

「エルニーニョだから」で片付けるのは早計ですが、気象庁が1月6日に発表した全球異常気象監視速報によると、12月30日から1月5日までの1週間に世界各地で異常気象が相次ぎました。

日本と同じように高温だったのは、中国、シベリア、南アフリカ、ブラジルなどです。中国大陸北部・東部は南からの暖気の影響を受けました。中国・陝西省延安では、元日の平均気温が平年より8度高い3度に、2日の最高気温は11度に達しました。湖南省長沙では、3日の平均気温が平年を10度上回って15度になり、最高気温は19度を超えました。

西シベリア北部のディクソンでは、1月3日の平均気温が平年より19度高い氷点下5度に達し、最高気温が氷点下3度を上回りました。スペイン南東部のムルシアでは、1月4日の平均気温が平年を9度上回って20度に、最高気温は23度を超えました。

南アフリカ共和国のブルームフォンテーンでは、1月5日の平均気温が平年より9度高い32度まで上昇し、最高気温は40度を超えました。ブラジル東部のフロリアノは異常高温が続いていますが、12月30日と31日の平均気温が平年を6度上回って33度に達し、30日の最高気温が39度を超えました。

一方で低温になった地域もあります。

ロシア南西部からトルコ北西部、トルコ南部では、北からの寒気の影響で、ウクライナのキエフでは、1月2日から4日の平均気温が、平年より13度低い氷点下16度まで下がり、2日の最高気温は氷点下15度以下になりました。

トルコ南部のアナムルでは、12月31日から1月1日にかけての平均気温が、平年より8度低い5度となり、1日の最低気温は二度を下回りました。オーストラリア中部のアリススプリングズでは、12月31日の平均気温が、平年より11度低い18度まで下がりました。

少雨や記録的な干ばつに悩まされる地域もありました。オーストリア南部のグラーツでは、1月5日までの30日間にほとんど雨が降りませんでした。前出のブルームフォンテーンでも、1月5日までの30日間に降った雨量が10ミリ未満でした。

多雨に悩まされたところもありました。中国・広東省広州では、1月4日、5日の2日間に降った雨量が120ミリを超えました。この地域の1月の月間降水量の平年値が46.1ミリですから、その3倍弱の雨が2日間で降ったことになります。

イベリア半島北部も多雨に悩まされました。低気圧や前線の影響で、スペイン北西部のビゴでは、12月30日~1月5日の7日間に降った雨量が190ミリを超えました。アルゼンチン中部のマルコスフアレスでは、1月3日、4日の2日間に降った雨量が190ミリを超え、平年の1月分を超える雨が降り注ぎました。

米中西部のイリノイ州やミズーリ州では1月4日、冬季としては珍しく発生した洪水で、多くの人が亡くなりました。洪水が始まったのは昨年のクリスマス頃でした。それに先立つ大雨で飽和状態にあったミシシッピ川流域に巨大な嵐が到来し、最大約250ミリの大雨をもたらしたことがきっかけでした。

さらに米テキサス州北部では昨年12月26日、猛烈な冬の嵐に伴う豪雪に見舞われました。テキサス州の乳牛は放牧されていますが、突然の吹雪で牛舎に入れる作業が間に合いませんでした。その結果、州内の成乳牛の約10%が死んだとみられています。

今年のお正月は大変だったのです。

穏やかな年末年始になるといいですよね。