週刊「水」ニュース・レポート    2017年1月25日号

 

 

 

【今回厳選したニュース・レポート】

 

 


米科学誌『サイエンス』に米オレゴン州立大学などの研究チームが主導した研究論文が掲載されました。

その内容は、地球で発生した最後の温暖期間に当たる約12万5000年前の海面温度が現在と酷似していること、当時の海水面が現在より6~9メートル高い位置にあったこと、です。

英エクセター大学のアンドリュー・ワトソン教授は、

「長期的には、人間が引き起こしている温暖化に応じて少なくとも6メートル以上の海面上昇が発生することを、今回の研究は示唆している」

としています。

6メートルの海水面の上昇とはどんなものでしょうか?

産総研の「海面上昇シミュレーションシステム」をつかってぜひ調べてください。

 

皆さんのお住まいの地域、あるいは興味ある地域をある程度クローズアップしたのち、画面左側の表示されている「設定」の「水位」を6メートルにしてください。

私は東京湾周辺を見たのですが、多くの場所が海面下になっていることがわかりました。

前出のアンドリュー・ワトソン教授は、

「良い知らせは幸運にも、海面はゆっくりと上昇し続けるため、人間がそれに適応するための時間が確保できること」

「悪い知らせは、現在の沿岸都市がある場所が、最終的にはすべて水没してしまうということだ」

と述べています。

「適応するための時間が確保できる」といいますが、洪水などの影響はすでにはじまっており、あまり時間はないでしょう。

これだけの規模の海面上昇に対し、防潮堤などは蟷螂の斧でしょう。

適応策としては水没する場所を明らかにし、そこは住まない、開発しないということではないでしょうか。低平地へのインフラ投資は高いリスクに直面するでしょう。

ちなみに、「海面上昇シミュレーションシステム」を6メートルに設定したところ、東京オリンピックの施設の所在地と見比べてみました。

 

施設はすべて水の底に沈んでいました。

これからのまちづくりは気候変動ときちんと向き合っていかなくてはなりません。経済を維持するためにやみくもに開発を進めるのではなく、安全安心に暮らすにはどうしたらよいかを最優先すべきではないでしょうか。

 


 

 

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