週刊「水」ニュース・レポート    2017年2月10日号

 

 

 

【今回厳選したニュース・レポート】

 

 


国内の寺院は、かつて卒塔婆に国産材を使っていましたが、30年ほど前から輸入材が増加しました。

卒塔婆製造業界によると、材料の木材は中国やドイツ、ロシアなど外国産が約8割で、今では節のほとんどない、白い卒塔婆が「当たり前」になっています。

私も自分の家のお墓の後ろにたつ卒塔婆をしみじみ眺めてみましたが、節は1つもありませんでした。和尚さんに聞くと「たぶん外国産です」とのことでした。

本来手入れすべき国内の人工林はほったらかし。海外の森林は伐採する。自分もその当事者だったんだな、と思いました。

いろいろな間伐材製品を調べていたとき、NPO法人「森の蘇り」が、細い間伐材を活用した卒塔婆「きらめ樹卒塔婆」をつくっていることを知りました。

「森の蘇り」では、直径20センチほどのヒノキの間伐材から薄い板をつくり、ジグソー(電動のこぎり) で整形します。間伐材1本から5~10枚の「きらめ樹卒塔婆」ができます。

この卒塔婆を使い始めた寺の住職は、

 

  • 「これを使うことによって、厄介者の間伐材が生きることになり、ひいては日本の森を蘇らせるお手伝いができる」

と喜んでいます。当初は

 

  • 「品質の低い間伐材を霊前に供えるのは失礼では」

との声もあったそうですが、購入した檀家さんの評判は、

 

  • 「昔の卒塔婆はこんなものだった」「環境に優しい」

などとおおむね良好。

きらめ樹卒塔婆は節だらけです。白い卒塔婆を見慣れると「見栄えが悪い」と思うかもしれません。ましてや作業に手間がかかる分、少し割高です。見栄えが悪くて割高な卒塔婆を好き好んで選ぶ何てふつうは考えられないでしょう。

でも、私は自分が死んだら節のいっぱいある卒塔婆にしてもらいたい。それが自分の生まれ育った地域の森を蘇らせ、水を育むならうれしい。

それに節は人生の節目にも通じるような気がします。平坦な道ばかりではなかった故人の生き様を、節を見ながら思い出すこともできるのかな。

工夫次第でさまざまな活用法のある間伐材。

それを流域に住む人で支えていくしくみができれば、流域は少し健康になる。木は、きちんと循環させることさえできれば、絶えることのない資源です。あらゆる資源が不足している日本ですが、木に関しては、世界に誇れるほどの備蓄量があります。

この資源を守りながら活用することで、外国と日本の森、自らの水源を守ることができるのです。