アクアコミュニケーターの知恵
水と地球環境のはなし | Story of the global environment and water
いのちを育む水の惑星

はるか昔、地球の表面は熱いマグマに覆われていた。
マグマが冷えてきて、地表の温度が下がりはじめると、大気中にあった水蒸気が冷え、雨となってふり出した。
雨がふると地表の温度はさらに下がり、大気中の水蒸気がつぎの雨となってふりつづいた。
地上は大洪水となり海が誕生した。
宇宙から地球をうつした画像を見ると、青い海、大地、白い雲がみえる。
地球の表面の約7割は、海という水でおおわれている。
そして白く見える雲も、やがては雨をふらす水のかたまりだ。
宇宙から地球を見ると、まさに「水の惑星」であるとわかる。
生命は今から約35億年前に海から発生したと言われているが、その場所は、さまざまな無機物、有機物がとけこんだスープのような海だった。
その後、物質のスープの海では、膜でつつまれた「細胞」とよばれるとても小さな生命体が海水から生まれた。
生命体が海水から分離したときが、生命の誕生だと考えられている。
実は、わたしたちの血液中の成分の比率は、タンパク質などの大きな分子をのぞくと、ほとんど海水の成分と同じなのだという。
これは、生命が海で誕生したことと関係があると考えられている。
水は生命の誕生にとても重要な役割を果たしてきた。
これからも水なしでは、あらゆる生きものが生きていくことができない。
水は生命そのものといえる。
出典『水と人びとのくらし』(橋本淳司著・文研出版)より