アクアコミュニケーターの知恵
水と地球環境のはなし | Story of the global environment and water
水のメガネ
(3)ファミレスのメニューにはどれくらいの水が使われていたか
家族5人で焼肉店に行ったとき、わずかな時間に牛肉1キロをぺろりと食べてしまったのですが、
水のメガネのレンズごしに、
給水車7台分(2万600リットル)
の水が消えていくのが見えました。
日本人が1日に使う水の量が約300リットルですから、ほぼ70日分の水を1時間ほどのあいだに食べてしまったことになります。
子どもとファミリーレストランで食事をしたときも同じように水のメガネをかけてみました。
娘の頼んだトマトスパゲティ、野菜スープ、オレンジジュースのセットをのぞいてみます。
トマトスパゲティにつかわれている水は
650リットル、
野菜スープにつかわれている水は
400リットル、
オレンジジュースにつかわれている水は
170リットルと、
あわせて1220リットル。
バケツ122杯分の水のかたまりが見えます。
息子の注文したハンバーグ定食も見てみます。
ごはんは277リットル、
ハンバーグと付け合わせ野菜で1800リットル、
みそ汁は160リットルと、
あわせて2237リットル。
バケツ224杯分の水のかたまりが見えます。
そして僕の頼んだカレーライスは
1100リットル、
バケツ110杯分の水が見えました。
こうして3人で4557リットルの水を食べてしまいました。
世界的に水不足が心配されているなかで、こんなにもたくさんの水を毎日食べているのかと、ちょっと申し訳ないような気持ちになりました。
もう1つ思ったことがありました。
それはこんなにたくさんの水を食べている自分自身を水のメガネで見たら、いったいどれくらいの水のかたまりが見えるのかということです。
すぐに洗面所に向かいましたが、
いざドアを開けると、真実を知るのが恐ろしくなり引き返してしまいました。(続)
出典『水のメガネ』(橋本淳司)『OCONOMISSION2010』収蔵