アクアコミュニケーターの知恵
水と人々の健康のはなし | Story of people's health and water
人は水なしでどれくらい生きられるのか
生物が活動を行うには水が必要だ。
人間は、水と睡眠さえとっていれば、たとえ食べものがなかったとしても2~3週間は生きられる。
だが、水を一滴も飲まないと、4~5日程度で死んでしまう。
体内の水が不足することを脱水症状という。
脱水症状をおこすと、体温を調節する汗が出なくなり、体温がどんどん上がる。
汗やおしっこが出なくなるため体内に老廃物が溜まり、血液の流れが悪くなり、全身の機能が障害を起こし死んでしまう。
体内の水分の20パーセントが失われると生きていけない。
体重50キロの人なら10キロ分(10リットル)の水がなくなると、死んでしまうことになる。
世界中で水不足が深刻になり、安全な水を得られない人は11億人いると言われる。
日本のように上下水道が完備している国は、世界では半分ほど。
たとえば、途上国の貧しい地域では、上水道も下水道もなく、生活用水を近くの池に頼るところもある。
だが、そこには生活雑排水や家畜のし尿も流れ込み、その水を飲んだ人は病気になり、ときに死亡することもある。
小さな子どもが水瓶を背負って水を汲みに行く国や地域もある。
水瓶は20キロ近くもあり、持ち上げるだけでも大変だが、それをもって家と水源の2、3キロの距離を毎日往復している。
それでも水なしでは生きていくことができない。
水不足による生命の危機にさらされながら、何とか水を確保しようとしている。