アクアコミュニケーターの技術
aqua-solutions 02
2012.3.9
非常用の飲み水をつくる
- 簡易ろ過装置をつくる
- 簡易消毒する
- 太陽熱蒸留と海水ろ過
1. 簡易ろ過装置をつくる
災害時に備え、水の備蓄は大切だ。
そのやり方は、aqua-solutions 01 にまとめた。
そのほか雨水を貯めて活用する方法もある。
ただし、最悪の事態を想定し、手近に備蓄した水がないケースも考えておきたい。
そのときは、比較的汚れの少ないわき水、川の水などを飲用や生活用水として使わなくてはならない。
その場合、簡易ろ過と簡易消毒という2つのプロセスが必要になる。
まず、ペットボトルを使って自家製の簡易ろ過装置をつくる。
【用意するもの】
- ペットボトル(1.5~2リットル)
- 丈夫なヒモ
- 粒状活性炭(300グラム)
ない場合は、小石などで代用する。 - 丸箸1本
【つくりかた】
① ペットボトル底部をカッターで切り取る。
② 切った縁の部分にガムテープをぐるりとまいて補強したのち、千枚通しやキリをつかって左右に1か所ずつ穴をあけ、ヒモをとおす。
③ ペットボトルのキャップに千枚通しなどをつかって、丸箸の先端が刺さるくらいの穴を開ける。
箸を折って栓にすると使う分だけ水を出せる。
④ キャップにガーゼを詰める。
⑤ キャップを下にして活性炭をペットボトルの半分程度まで入れる。
これで簡易ろ過器のできあがり。
ヒモで吊るして水を静かにいれ、キャップに差し込んだ丸箸をぬくと水が少しずつ出てくる。
ガーゼと活性炭は週に一度は10分間煮沸する。
非常時には粒状活性炭を用意するのがむずかしい。
そのときは、手に入りやすいものを工夫してつかう。
一番下に洗った小石を入れ、次に焚き火の燃えかす、砂・砂利、布(ハンカチやバンダナ)の順番で入れる。
簡易ろ過器は2つつくり、ヒモの長さを調節して、2段に組み合わせてつかう。
上の簡易ろ過器でつくられた水が、下の簡易ろ過器に入るようにする。
これで風呂の残り水、河川水などをろ過することができる。
この方法は現在でも発展途上国などで使われているろ過器のコンパクト版だ。
途上国では樽のなかに、小石、砂、活性炭、小石の順番で入れてろ過器をつくっている。
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