アクアコミュニケーターの技術

 

 

aqua-solutions 04

2012.4.18

 

 

家庭での水の2Rを考える  ~リユース編~



1. 水質によって何に使えるかを考える

 

日常生活では、いつもきれいな水が必要とは限らない。

飲み水にするなら、少しでも汚れていてはだめだけれど、それ以外なら、「この程度なら問題ないよね」ということが多い。

 

そもそも水には物質を溶かす性質がある。私たちが「汚れ」と考えているのは、ほかの物質が混ざった状態だ。

たとえば食塩水とは食塩が溶けた水。

ミネラルウォーターは、マグネシウム、カルシウム、カリウムなどが溶けた水。

農業排水には窒素やリンなどが溶け込む。

食塩水やミネラルウォーターは汚れているとは言わないが、窒素やリンなどが溶け込むと汚染されたと言う。

 

だが、水に物質を溶かす性質がある以上、使うほどに他の物質が溶け込むのは当然。

用途に応じて、ある程度ほかの物質が混ざった水を使うのも、当たり前のことである。

 

東日本大震災の避難所でのこと。

食器を洗うとき、バケツを3つに分けて使っていた。

 

  • 1つ目のバケツで汚れた食器をすすぎ、
  • 2つ目できれいにし、
  • 3つ目で仕上げ。

仕上げをしただけの水はきれいなので野菜洗いにリユースする。

 

こうした利用法はじつは昔からある。

水の町として知られる岐阜県の郡上八幡では、湧水や山水を引き込んだ水槽のうち、

 

  • 1つ目の水槽は飲用や食べ物を洗うのに使う。
  • 2つ目は汚れた食器の洗浄に使う。

2つ目の水槽で水に流れ出した食べものかすは、そのまま下の池に流れ飼われている魚のエサとなり、水は自然に浄化されて川に流れこむ。

かつての日本人にとっては水のリユースは当たり前で、いまさら声高に叫ぶようなことではないかもしれない。

私たちは飲める水道水で、車を洗車したり、トイレ掃除をするうちに、そのことを忘れてしまったようだ。

 

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